イランが、女子生徒集団中毒事件への西側の介入的発言に反発
イランが、国内複数都市の女子学校で生徒らが中毒症状を起こした問題をめぐり、西側が介入的発言を行ったことに反発しました。
イランではこの数日、一部の都市で多くの生徒が中毒症状を示す事故が起こりました。複数の専門調査団が現在、この中毒事件の原因を調べている中、 西側当局らは、この事件に対して介入的な反応を示しました。
ドイツのベアボック外相は、介入的なツイッター投稿において、「この件について完全な調査を求める」としました。
イラン外務省のキャンアーニー報道官は、これに対する反応としてツイッターで、「この苦々しい事件は、まだ事実の解明をしなければならない段階である。イラクの旧バアス政権がイランに押し付けた戦争(=イラン・イラク戦争)の間には、ドイツ製の毒ガスによって(イラン人が)中毒症状を負ったが、その責任はドイツ政府にもある」と指摘しました。
一方、イランに駐留するイギリスのサイモン・シャークリフ大使も1日水曜、イランに対するハイブリッド戦争を続ける中でこの事件の政治的利用を目論み、ツイッターに「私は一人の父親として、連続して起きた中毒事件のために学校に通う子どもを心配している、イランのすべての父親や母親に同情する」と投稿しました。
イルナー通信によりますと、イラン人生徒の中毒事件をめぐりシャークリフ大使が同情を主張するメッセージを発表したことを受けて、イギリスに駐留するイランのホセイニーマティーン代理大使は、「駐イラン・イギリス大使には、イランの内政に干渉する代わりに、ウクライナ戦争で何人のイギリス兵が死亡したか、正確な統計を提示するよう求める」としました。
同代理大使はさらに、ロシアおよびイギリスの情報源からさまざまな統計が示されているとしながら、「これらの統計をイギリス当局は未だに認めていない。英国民は、この件に関して知る権利がある」と続けました。
イランのアミールアブドッラーヒヤーン外相も、この件をめぐり3日金曜にツイッターで、「イランの女子生徒らが中毒症状を示したことに関する、一部の西側当局者らの介入的な反応は、敵によるハイブリッド戦争の一環である」としました。
そして、「我が国の関連機関は現在、真剣に事件の詳細調査を行っている最中である」と説明しました。
また、キャンアーニー報道官も、一部の西側当局者らによる介入的発言に反発し、今回のイラン人学生中毒事件の調査が政府の優先事項の1つとなっていることを強調して、「この件に関して、一部の国々の当局者らがパフォーマンスとして性急かつ驚くべき反応を示していることは、この数か月に彼らが介入的な政治的姿勢を取っていることの延長であり、政治的目的と結びついた行動だと判断できる」としました。
その上で、「一部の国々は、イラン国民に対する人権侵害例の長いリストをその暗い経歴に持っており、人権問題に関しては非難される立場にある。これらの国々の当局者らは、このような分野でのパフォーマンスじみた介入的発言をやめた方がよい」と強調しました。