テヘラン裁判所で、米戦闘機のイラン旅客機異常接近事件が審理
アメリカの戦闘機が2020年に起こした、イラン旅客機に異常接近するというテロ的行為をめぐり、米軍を相手取った裁判が、テヘランで開かれました。
2020年7月23日、乗客149名・乗務員15名を乗せたイラン・マーハーン航空の旅客機は、テヘランのイマーム・ホメイニ国際空港からレバノンのベイルートへのフライトの途上、シリア上空において、CENTCOMアメリカ中央軍所属のF-15戦闘機2機が、破壊も辞さないかたちで同旅客機に異常接近するという、テロ的行為に出ました。
マーハーン航空のパイロットは、米軍戦闘機がテロ攻撃におよぶのを阻止しようと、機体を緊急降下させたために、このテロ攻撃は失敗に終わりましたが、このアメリカの戦闘機の行為により、機内にいた乗客1人が殉教した他、乗客・乗組員計15人が重傷となりました。
同便に搭乗していた全乗客は負傷から回復した後に、アメリカ政府とこのテロ行為に関与した13の個人・団体を相手取った告訴状を提出しました。
国際民間航空条約(通称:シカゴ条約)、国際航空運送についてのある規則の統一に関する条約(通称:モントリオール条約)、その他の国際諸法に基づけば、各国の航空機に対してはいかなる意図的な軍事行為に出ることも禁じられています。
IRIB通信によりますと、この事件発生から2年目を迎えた23日日曜、テヘラン司法局国際支部でこの米軍の犯罪をめぐる審理が開かれました。
この裁判では、原告である乗客が被告である米軍に対し、慰謝料の支払いおよび再発抑止・懲罰としての賠償金の支払いを求めています。
裁判所は今回の審理を行った後、法で決められた期限内に判断を下して原告・被告に通知するとしました。