イラン大統領「イラン国民に対する力ずくの物言いは通用せず」
イランのライースィー大統領は、「アメリカは、イラン国民に対する力ずくの物言いは、それが制裁であれ、脅迫であれ、通用しないことを認識するべきだ」と語りました。
イルナー通信によりますと、第78回国連総会に出席するため米ニューヨークを訪れているライースィー大統領は18日月曜、米国の複数の外交評論家らと会談しました。
ライースィー大統領は、核合意やイラン・米国関係の展望に関する質問に対し、アメリカが核合意を順守すべきにもかかわらずそれに違反したとして、「(米バイデン政権への)政権交代後、アメリカは核合意への復帰の用意があると表明し、イランもよい合意到達のため交渉の用意があるとしたが、しばらくして相手側が合意に忠実ではないことが明らかになった」と述べました。
ライースィー大統領はまた、アメリカは昨年のイランでの暴動・混乱扇動が失敗したとみるや、再度交渉を希望するようになったとし、「交渉は仲介者を通じて行われ、最近実現した米国との囚人交換もそれによる成果だ」としました。
また、トランプ前米政権によるイランイスラム革命防衛隊・故ソレイマーニー司令官の暗殺に関する質問について、「ソレイマーニー氏はテロと戦った司令官だ」とし、「同氏に対するテロは、テロとの戦いに対するテロである」とした上で、「もしソレイマーニー氏がテロ組織ISISを阻止していなかったら、欧州全土がテロに覆われていただろう。もっとも、アメリカではISISはアメリカ自らが生み出したものと明確に言われている」と述べました。
その上で、ソレイマーニー氏暗殺を政府によるテロの実例とし、実行犯に対する裁きを強調しました。
一方、世界の航海の安全については、「米艦船がペルシャ湾上に駐留し、他国の船舶を拿捕していることは、地域の安全を損ねる要因となっている」としました。
また、IAEA・国際原子力機関がイランの核活動が平和目的であることを認めていることが、イランに対する制裁が圧制的であることの明白な理由であるとし、「イランはあらゆる法や規則、査察に先駆けて、最高指導者・ハーメネイー師が出したファトワー(宗教令)によっていかなる核兵器の製造・使用も禁じている」と述べました。
さらにウクライナ戦争については、「我々は戦争に反対しており、この戦争の終結のために仲介の用意があることも表明してきた。しかし、アメリカ市民の払う税金が、軍需企業の私腹を肥やすことや戦費に費やされている」と述べました。
そして、「イランは決して交渉の席を離れたことはなかった。なぜなら、自らのアプローチや行動に明白で強固な論理を有しているからだ」とし、「韓国で凍結解除されたイラン資産はイランの権利だった。アメリカは、なぜイラン国民の権利実現を圧政的に奪っていたのか説明するべきだ」と述べました。