一日一冊、本の紹介(19)
(last modified Wed, 14 Dec 2016 11:27:16 GMT )
12月 14, 2016 20:27 Asia/Tokyo
  • 一日一冊、本の紹介(19)

「預言者が物語りを語る」という本は、ゴラームレザー・ヘイダリー・アブハリーが記した作品で、預言者ムハンマドの40の物語を紹介しています。

これらの物語は、イスラムの預言者自身の口から語られています。作者は、この作品の前に、「預言者の人生の92の教え」という全集を記し、若者たちに預言者ムハンマドの人生の詳細を紹介しています。彼は、「預言者が物語を語る」という本の中で、子供たちに預言者を紹介するために、新しい枠組みを選んでおり、子供たちが預言者の言葉によって物語を聞けるようにしています。

最も効果的な教育方法のひとつは、親や教師が優れた手本を見せることです。優れた手本が紹介されることで、人間は向上への欲求を見出し、頂点を極める道が示され、教訓的なメッセージに従うことが容易になります。物語の一部では、よい行いによる恩恵について幾つかの点が指摘されており、そのあと、「祈祷の価値」というタイトルの物語では、祈祷や崇拝による恩恵が述べられています。重要なのは、これらの価値のすべてが、物語形式で述べられていることであり、それらを解説する上で、宗教的な指導者や偉人たちの言葉が利用されています。

イスラムの重要な教えのひとつは、子供たちに愛情や喜びを与えることであり、両親が子供と一緒に遊ぶことは、子供を喜ばせる上での方法のひとつだとされています。物語のひとつには次のようにあります。「ある日預言者ムハンマドは、礼拝のためにモスクに向かっていた。道の途中で、子供の集団が遊んでいた。子供たちは預言者の姿を見たとたん、彼の周りに集まった。預言者は彼らをがっかりさせたくなかったが、モスクでは人々が待っていて、早くモスクに行かなければならなかった。その頃、預言者の教友の一人がモスクから出てきて、預言者を探していた。しばらくした後で、預言者が子供たちと遊んでいる姿を目にした。預言者はこの教友に言った。『私にとって、礼拝の時間が短くなることは、子供たちをがっかりさせることよりもましである』 それから預言者は、この教友に、預言者の家に行って子供たちを喜ばせるために、クルミとナツメヤシを持って来るように言いつけた。その後で預言者は礼拝のためにモスクに行った」