日本人が、イラン・イラク戦争でのイラクの犯罪行為に驚愕
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「全ての季節の思い出」
日本の一般人や芸術家の多くが、イラン・イラク戦争におけるイラクの旧サッダーム政権軍の犯罪を扱った映画に驚嘆を示しています。

今年の広島フィクション映画祭では、例外的な措置として1本のドキュメンタリー映画が上映されています。
このドキュメンタリー映画は、「全ての季節の思い出」というタイトルがつけられており、イランに対するサッダーム政権の化学兵器による攻撃、そして西側諸国によるサッダーム政権への化学兵器の供与が題材とされています。
この映画祭の事務局長は、イランのこのドキュメンタリー映画の上映にあたって、「この映画祭は本来、短編あるいは長編のフィクション映画のみを扱っているが、このドキュメンタリー映画は、映像、そして現代の世界の人々に明かされていなかった戦争犯罪を再現する歴史的な証拠資料としての価値が高いことから、今回の映画祭の出品作に選ばれた」と語りました。

この映画の上映後の質疑応答会では、司会者がこのドキュメンタリー映画の監督であるキャリーミー氏に対し、「自分は今回、このドキュメンタリー映画を見るまでは、イランの民間人に対するこのような犯罪行為の発生について、正直なところ全く知らなかったが、広島の原爆の時代とは逆に、なぜこの戦争犯罪は重視されていないのか」との質疑を呈示しました。
これに対し、キャリーミー監督は、「作品中に出てくるドイツ人の証言どおり、西側メディアの多くはガラスの壁と呼んでもおかしくない。それは、政治家から見た見解や自らの見解だけを通させているだけで、事実に触れていないからだ」と答えています。
この質疑応答の場で、キャリミー監督は自らがこの作品で扱った、イラン国民に対する化学兵器使用、そしてそれに対する国際社会の沈黙という事実を、国際社会にアピールしようとしています。