イラン原子力庁長官「イランは圧力下では決断しない」 IAEA事務局長との会談後
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サーレヒー長官とグロッシ事務局長の会談
イランのサーレヒー原子力庁長官が、オーストリア・ウィーンでIAEA国際原子力機関のグロッシ事務局長と会談した後、IAEAのアプローチが政治的なものであってはならないと強調し、「イランは、圧力をかけられた状態では決断を下さない」と語りました。
アルアーラム・チャンネルによりますと、サーレヒー長官は11日火曜、「グロッシ事務局長との会談で、イランが協議に応じる論理的な国であることを伝えた」と述べました。
また、「IAEAの決断に、政治的な方向性があってはならない」としました。
さらに、「イランとIAEAの関係は非常に良好で協力や相互理解を伴ったものだ」とし、この関係が今後も継続するよう希望すると語りました。
サーレヒー長官は11日、フランスの原子力・代替エネルギー庁のフランソワ・ジャック長官とも会談し、ヨーロッパ諸国が核合意の責務を遵守していないことを指摘し、「こうした現状の継続は、誰の利益にもならない」と批判しました。
EUおよび英独仏3カ国は、2018年5月8日に米国が核合意から離脱した後、イランの経済利益を確保し、合意を存続させると約束しました。しかし、これまでこの約束は具体的に機能するに至っていません。
こうした状況において、イランは昨年5月8日、米国の核合意離脱から1年が経過する中、合意の第26項と36項に基づき、イランの権利と義務のバランスをとるため、合意に定められた責務を段階的に縮小させる旨を表明しました。
先月5日、イランは責務縮小の最終段階=5段階目の実施を表明しました。
イラン核合意の第26項と36項には、この合意の相手側がその責務を履行しない場合、イランも責務の一部あるいはすべての履行を停止する権利があることが明記されています。
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