二国間関係の拡大に向けたイランとイタリアの歩み
この数日、イランとイタリアの代表団が複数の会合において様々な合意覚書に調印し、経済・通商面での二国間関係の拡大に向けた大きな歩みを踏み出しました。
ミールザーアーガーザーデ解説員
イタリアのレンツィ首相は12日火曜、250人に上る政治経済代表団を率いてテヘラン入りしました。この2日間で、イランとイタリアの間では総額70億ユーロに相当する18の協定が調印されています。これらの協定の多くは、石油や天然ガス、アパレル、運輸、鉄鋼業、通信、航空宇宙、空港、医療、食料品に関するものです。
レンツィ首相は13日水曜、テヘランで開催されたイランとヨーロッパの経済会合において、イランとの間で調印された協定の実施を強調し、「ヨーロッパの銀行ウニクレディトは、イランに支店を開設するため、イランの政府関係者との協定を締結した」と語りました。また、イタリアの記者団に対し、「イランは中東地域の平和と安定のため、地政学的な視点から、イタリアの主要なパートナーである」とし、「イランは、ペルシャ人の文化が継続されている大国であり、世界の特別な拠点の1つだ」と述べています。レンツィ首相はさらに、「過激派テロ組織ISISやテロリストは、平和への反対派である」とし、「ISISと徹底的に戦い、この組織を撲滅すべきである。ISISを破るためには、イランの参加が重要である」としました。
イランのネエマトザーデ商鉱工業大臣も13日、テヘランでのイランとイタリアの経済会合において、「イランのローハーニー大統領のイタリア訪問において、30に上る協力協定や合意書が調印されており、このうち8つの協定が既に実施されている」と語りました。また、イタリアの代表間が複数回にわたってイランを訪問していることは、同国がイランとの関係拡大や協力を真剣に捉えていることの現われだとし、「昨年のイランとイタリアの貿易額は、およそ14億ユーロであり、この数字を制裁前の水準であるおよそ70億ユーロにまで回復させることが可能だ」と述べています。
イタリアのスカルファロ商業大臣も、イランとの経済会合において、「イタリアの銀行関係者の代表の多くが現在、テヘランに集合しており、彼らが提供しようとしている金融サービスは国際社会に対し、イランが貿易や通商にとって安全な国であるというメッセージを伝えるものだ」と語りました。また、イタリア伝統工業職人連盟・国際委員会のマティオッリ副委員長も、「イタリアは、イラン以外の国際市場にこれほどの投資を行ったことはない」と述べています。
さらに、イタリア流行連盟のクラウディオ・マレンツィ氏も、両国の真剣な議論の焦点はイランの服飾生産業者をイタリアに紹介することだとし、「イラン人の専門のデザイナーがイタリアにやってくること、そして彼らがイタリアのブランド製品の業界で活動することは、必ず将来実現する事柄である」と語りました。さらに、イランアパレル生産販売連盟のシーラーズィー会長も、イランとイタリアのアパレル生産業者による合意
書の調印式において、「イランのアパレル生産業者は、イタリアの支援により国内部門や国際市場において、高品質で適切な価格の製品を生産し、供給できる」と述べています。