難民への対応に対する国連の批判
国連が難民問題への対応における新たなアプローチを非難しました。これに関して、国連難民高等弁務官は、「EUとトルコの合意後、ギリシャの難民受け入れ登録機関は、拘束所と化した」と述べました。
ミールターヘル記者
国連難民高等弁務官事務所は、22日火曜、声明の中で、「国連難民高等弁務官はこれまで、ギリシャの島にある難民受け入れ登録機関を支援してきたが、新たな措置の実施により、この機関は現在拘束所と化している」と語りました。
EUとトルコの難民に関する合意の実行により、現在、難民の受け入れは以前より非常に厳しくなっています。これにより、将来への失望の高まりから、難民の間で困惑が広がっています。
以前の報道によれば、ギリシャとマケドニアの国境地域で、難民1名が焼身自殺を図りました。現在バルカン半島の国境が正式に閉ざされてから10日以上が経過し、難民数千人が国境地帯で途方にくれています。現在1万2000人近い難民がギリシャとマケドニアに国境で路頭に迷っています。
トルコの多くの利権を与えることで難民への対応において更なる協力を得ようとしたヨーロッパは、現在、あらゆる手段によって、現在の流れを元に戻そうとしています。彼らはまず難民をヨーロッパの国境前で停止させ、その後彼らをトルコに送還し、最終的に自国に帰還させようとしているのです。このため、今後数週間以内に、難民への対応が厳しくなる可能性があります。とくに現在、22日のベルギーのテロ事件に関連し、ヨーロッパはテロ対策という別の口実を有しています。
ヨーロッパの治安関係者によれば、難民のヨーロッパへの流入拡大は、この地域でのテロ発生の可能性を高めています。ヨーロッパは、テログループはテロをヨーロッパに影響を及ぼし、テロ攻撃を行うための手段として利用していると主張しています。2016年のヨーロッパへの難民流入抑制の見込みは厳しいことから、テログループは西ヨーロッパ諸国に侵入し、テロ攻撃を行う可能性があります。とくにISISといったテロ組織は自らの戦略を見直し、世界的に大規模な戦略を進めており、こうした方向で、ヨーロッパ諸国を攻撃するとはっきりと脅迫しています。こうして、難民は現在窮地に立たされています。特にシリアの難民はテログループから逃れるために移住を決め、トルコに向かっていますが、トルコの難民キャンプの状況の悪化により、ヨーロッパへ向かうことを余儀なくされています。しかしながら現在EUの厳しい政策により、来た道を引き返したり、強制送還されたりしています。その一方で、ISISのテロ行為により、基本的に彼らのヨーロッパに向かう動きは、ヨーロッパで移民によるテロへの恐れが広まっていることから、多くの困難に直面しています。ヨーロッパは2014年末から、第2次世界大戦以来最大の難民危機に直面しています。これらの難民の多くは中東や北アフリカからの人々で、暴力や内戦、情勢不安から逃れるため、住む家を捨ててヨーロッパに向かっています。