視点
カナダで続く先住民児童の集団墓地の発見
カナダで、依然として先住民の子供たちの集団墓地が発見されています。
13日火曜には、複数のメディアが同国ブリティッシュコロンビア州で160人以上の子供たちの集団墓地発見のニュースを報じました。これらの墓の発見により、カナダで殺害された先住民族の子供たちの数は千人以上に達しました。
カナダは、ここ数週間に国内で子供たちの集団墓地が発見されたことから、大きな疑惑を突きつけられています。これらの先住民の子供たちは、1890年から1970年の間に両親から引き離され、カトリック教会が運営する寄宿学校に入れられました。このプロジェクトの主な目的は、これらの子供たちをカナダ先住民のコミュニティから引き離し、彼らの母語と伝統の促進を防ぎ、お仕着せの強制的な方法で教育することでした。したがって、これらの子供たちの多くは、自殺や火事、長時間の重労働による圧力、強姦、凍死、さらには学校からの脱出を試みる過程で命を落としています。
1920年代にこれらの学校にいた人物の1人、ジョージ・マヌエル氏は、「すべての先住民在校生は空腹にあえいでいた。学校は冬は寒く、また不衛生な場所だった」と証言しました。
他の証拠文書はまた、在校生がはしか、インフルエンザ、結核および他の感染症にさらされ、その多くが死亡したことを示しています。
米ワシントンポスト紙は、これらの集団墓地の発見を、カナダ史上最も暗澹たる時代の悲劇的な発覚である、と報告しています。
過去1か月間に、カナダのメディアは先住民族の子供たちの集団墓地の発見を繰り返しニュース報道しましたが、このことは政府と教会の間の緊張と見解の対立を引き起こしました。
カナダ政府の人道的立場の踏襲や行動、また同政府による差別のない平等や自由の約束というスローガンは特に近年、カナダ政府にますます圧力をかけています。トルドー・カナダ首相はこの問題をカナダの歴史における暗澹たる破廉恥な時代と、大規模なスキャンダルの追憶を呼び起こすものだとしましたが、謝罪はしませんでした。
トルドー首相は、カナダ国内や世界の世論からの圧力の下、教会にこの惨事の責任を転嫁し、ローマ教皇に謝罪させようとしました。こうした中、かつてのカナダのカトリック系寄宿学校で集団墓地が発見されたことを受けて、フランシスコ教皇は政治的および宗教的指導者たちにこの問題の究明に向け協力するよう呼びかけています。またカナダ人と先住民に同情を表明はしたものの、学校運営への教会の関与については謝罪しませんでした。
カナダで相次いで集団墓地が発見されたことは、カナダ政府と西側世界にとって大きなスキャンダルになっています。実際、これらの集団墓地の発見は、これらの国々における差別的な行動、並びに平等のスローガンからの乖離をますます反映しています。
実際、このような大規模な犯罪を隠蔽できなかったカナダ当局は、現在、その責任を回避しようとしています。
ブリティッシュコロンビア州カムループスにある寄宿学校に在学していた、現在72歳になるある人物は、「寄宿学校にいる間ずっと耐えてきた苦しみについて、誰も責任を問われていない。加害者はどういうわけか裁判の重荷を免れた」と語りました。
政府と教会の間の人権ゲームは、この犯罪の側面が明らかになり、世界中の多くの公正を求める人々が嘆息する中でも続いています。移民や有色人種の扱いに見られるように、カナダや多くの西側諸国では差別政策が続いている一方で、誰もそのような虐殺の責任を負いたくないように見受けられます。
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