ノウルーズと生活様式(2)(音声) 
(last modified Wed, 27 Mar 2019 19:30:00 GMT )
3月 28, 2019 04:30 Asia/Tokyo

イラン・イスラムの生活様式は、イランの文化・文明の最も重要な側面です。

イラン・イスラムの生活様式の基本的特徴は、自己と人間の関係、神と人間の関係、人々と彼の関係の中で説明することができます。ノウルーズはこうした全ての関係について、新たな定義を提示しています。

ノウルーズの到来においては、世界のどこにいようと、寒かろうが暑かろうが、あなたが見知らぬ人であろうが家族であろうが、旅行中であろうがお正月飾りのそばにいようが違いはありません。ノウルーズは常に存在し、あなたはノウルーズを祝い、特別な慣習で春を迎えた日のことを思い出すでしょう。春の香りが嗅覚をくすぐり、大地には植物が芽吹き、空は輝き、大量の雨を森林や山、平原に降らせます。空気や大地、空は、子供の頃と変わらず今も私達の目の前にあります。歳月の経過と共に、それに慣れと誤解と単調な日々という埃が積もりますが、春がやってきて、これらの埃が取り除かれ、私たちは自然の輝きを目にすることができるのです。

ノウルーズと生活様式

 

ノウルーズはイラン人の新年であり、世界中で特別な慣習を伴って祝われています。イラン人の生活におけるノウルーズの重要性により、この番組では、イランの生活様式とそれのノウルーズとの関係についてお話してまいります。

ノウルーズは、イラン人の個人的生活様式に多様な色や変化を与える他、家族や集団との交流など様々な側面でも変化の源となっています。ノウルーズの慣習は、他者との関係におけるモデル、孤立を非難し集団の中にいることに価値観を見出すものです。

家族は動的な社会の最も重要な柱であり、イスラム・イランの生活様式において、社会の基本的な柱、基盤であり、イランの人々にとって非常に価値のあるものです。家族は、子供たちの成長や向上を促す中心的存在です。子供たちは、社会を作り、国の文化や慣習を社会で維持し、その存続に努める存在です。

イランの社会は、家族を非常に神聖なものと見ており、その強化と存続において多くの努力を行っています。家族は生まれてくる新しい人間それぞれに対し、重大な責務を肩に背負い、彼が家族や社会、文化の全体的なシステムに加わることが出来るよう多くの努力を注ぎます。イラン人の各家庭においては、家族がそれぞれ、社会的、文化的な理想や内容に親しみ、生活様式のふさわしい理解を手にし、将来、イランという名の大きな社会の一員なるために努力が行われています。

明らかにもし社会がその存続を求めているなら、文化遺産を継承することが必要であり、これは家庭の中で社会性を持つ子供を育てることによってのみ実現可能です。子供は両親や親戚と接することによって、社会的な言動を学び、次第に様々な経験をつんでいきます。こうした経験がもし正しいものであれば、社会の文化は正しく維持されるでしょう。人類学者は、各社会の子供の育て方がその社会や文化を理解する上での重要なキーポイントだということを証明しています。

ノウルーズは子供や青少年が社会の文化や宗教的な生活様式の正しい原則に触れる貴重な機会の一つです。ノウルーズは実際、イラン人の家族にとって、直接的な教育や助言を行うことなく、若い世代を、イラン人の美しい信条に伴わせる絶好の機会なのです。

こうした善き習慣のひとつに、年の初めに年長者を訪問するというものがあります。これは年間を通して行われるものではありますが、ノウルーズのときにピークを迎えます。この慣習は宗教的な信条や道徳的価値観に根付いたもので、人々の心をあたため、精神的な活力を与えるものです。

ノウルーズの際には心の汚れや錆が落とされ、愛情や慈しみが生まれます。そして互いの状況を尋ねあうことにより、人々の間の結びつきが確立します。こうして歴史の中でのこのような古い慣習の維持に向けたイラン人の集団的努力は、彼らの生活様式の特徴となっています。家族と会うことは、研究者の調査によれば、精神の安定や心の安らぎをもたらし、動揺や悲しみを遠ざけます。

ノウルーズにおけるイラン人の生活様式の重要な慣習の一つに、他者との関係や互いの交流を広げるということがあります。

こうした社会的行動は、特定の階層のものではなく、全ての年齢層、社会階層の人々がそれを行っています。遠い昔から、こうした面会は一度きりで終わらず、互いに訪問しあうものとなっています。こうして一家族が他の家族を訪れた数日後に、今度は訪問を受けた家族がそのお返しとして相手側を訪問します。興味深いのは、時にこうした面会が新年の初日から1ヶ月の間続けられることもあるということです。

ノウルーズの社会的な行動は、今上げたような例に限られません。イラン人の生活様式において、家族の一員を失った人々のもとを訪れ、彼らの状況を尋ねたり、亡くなった人を偲んだりすることは価値があり重要なことです。

イランでは、年の最後の木曜日、また元旦など新年の初めに、亡くなった家族の墓を訪れる習慣があります。この習慣においては、遺族だけでなく、彼らの友人や近親者の多くが同行します。

ここまで、イラン人のノウルーズにおける生活様式についてお話してきましたが、新しく共同生活を始めた夫婦に贈り物を贈ったりすることもイラン人の興味深い慣習の一つです。それは、他の国の国民や民族にとってのモデルになりえるものとなっています。それは春を、よりよい生活を始めるためのきっかけにする、というものです。

 

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