ラマザーンへのいざない(7)-聖典コーランの春
(last modified Tue, 21 May 2019 17:30:00 GMT )
May 22, 2019 02:30 Asia/Tokyo
  • ラマザーン月、コーランの春
    ラマザーン月、コーランの春

イスラムの聖典コーランは、人々の心の春であり、イスラム教徒が1ヶ月間の断食を行うラマザーン月は、コーランの春といえます。

ラマザーン月はコーランが下された月とされています。コーラン第2章アルバガラ章雌牛、第185節には次のようにあります。

 

「ラマザーンは、人々の導きとして、また導きと真偽の識別の明らかなしるしとしてコーランが下された月である」

 

ラマザーン月にコーランが下されたことは、この聖なる月に特別な可能性が秘められている事を示しています。ほかの天啓の書もラマザーン月に下されており、これについてシーア派6代目イマーム・サーデグは次のように述べています。

 

“ユダヤ教の聖典は、ラマザーン月が始まってから6日目の夜に下された。新約聖書はラマザーン月の12日目の夜、そして預言者ダーヴードの書はラマザーン月18日目の夜に、さらにコーランはガドルの夜に下された”

 

夜の闇が過ぎた後、明るい太陽の光によって枯れた自然が蘇るように、コーランの光も人々の心を照らし、塞ぎこんでいた人々の心にみずみずしさをもたらします。シーア派5代目イマーム・ムハンマドバーゲルは、ある伝承において、次のように述べています。

 

“あらゆる物にとっての春が存在する。コーランにとっての春はラマザーン月である”

 

 

 春という季節が、自然の芽生えや生命の再生の季節とされているように、ラマザーン月におけるコーランの朗誦やそれに記されている内容を実践することは、人々の命や魂に再び命を与えることとされています。それは、人間の本質がコーランの内容に合致しており、その聖なる章句は、準備のできた心を魅了するからです。

 

コーラン第39章、アッ・ズマル章、「集団」第23節には、コーランがもたらす精神面での魅力について、次のように述べられています。

 

 “神は、最も素晴らしい言葉を、互いに類似した語句をもって、また韻律に乗った節があり、繰り返しの章句がある書物として下した。主を畏怖する人々は、それによって肌をおののき震わせる。それから、神を唱念する事により、彼らの肌も心も和らぐ”

 

 

このため、数多くの伝承において、コーランは人々の心の春とされているのです。

 

コーランは、神が起こした偉大なる奇跡であり、イスラムの永遠の書物でもあります。この聖なる書物は、これまでの様々な陰謀にもかかわらず、人為的な加筆削除を免れ、人類社会を逸脱から救ってきました。コーランが持つ優れた特性は、人類の導きを保障していることです。

 

コーランは、神により下された当初から、息吹をもたらす章句により、人々の清らかな心を魅了し、建設的な内容により、文明開化を遂げていない人類社会を、文明化された社会へと変貌させました。神は、最も包括的で完成度の高いコーランを下すことで、コーランほど人間のニーズにこたえうる書物は、今後も出現しないことを示したのです。

 

コーランの節の内容やスタイルが独自のものであることから、この天啓の書物は人間により作られたものではなく、超人的な源を持つ、永遠の奇跡だということがわかります。コーランが下されてから1400年が経過した現在も、この書物が世界各地で生き続けていることは、コーランが学術的、現実的な論理に合致し、奥深い建設的な内容を語っており、モラルに沿った実践的な教えであり、人間の生活を指南する最高の書物であることを物語っています。

 

コーラン第41章、フォッスィラト章、「解明」第41節、42節では次のように述べられています。

 

“誠に、これは栄誉ある書物であり、虚偽は、前からも後ろからも近づくことはできない。この聖なる書物は、叡智にあふれ、賛美すべき方から下されたものである”

 

 

コーランがもたらしているメッセージは、すべての人々が理解できる明解なもので、よい言動を心がけること、他人と友好な関係を築くこと、穢れを回避して清らかさを保つこと、野望や過剰な欲望を避けることといったものです。このように、コーランは人間の生活の個人的、社会的な側面や、文化、政治、経済を含めたすべての側面において、人間にとっての最高のよりどころだといえます。

 

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