9月 28, 2023 17:51 Asia/Tokyo

皆様こんにちは。シリーズでお届けしております「ペルシャ語ことわざ散歩」、今回は商業を由来とする表現をご紹介してまいりましょう。

今回ご紹介するのは、「私の頭を割っても、レートは割るな」です。

ペルシャ語での読み方は、Sar-am raa beshkan valii nerkh-am raa nashkan となります。

この表現は、特に品物の売買の際の駆け引きに使われることが多く、売り手が値引きを執拗に求めてくる顧客に対し、「自分の付けた値段はこれで決まっており、これ以上は譲れない」という意味で使われます。

また、こうした商取引以外の場合で使われることもあります。それは、何かあることについての自分の発言や信条を撤回せず、人から何と言われようとも自分の考えを曲げない、という場合です。

例えば、何かある問題を解決しようと話し合っているときに、相手側に自分の要求を受け入れさせよう、または適当な線で妥協させようと必死に説得を試みるものの、相手がそれに応じない場合にも使われます。この場合は、このことわざではその相手の人物を主語にして、「彼は自分の頭を割っても、自分のレートは割らない」と表現します。

人間は一生の間に、色々な議題をめぐって家族や友人、職場や学校、社会の人々と、問題を平和的に解決するために話し合いをします。もっと大きな次元でいえば、ある国の国家元首や閣僚がほかの国の代表者と話し合い、その結果は地域や国際情勢に直結します。

しかし、いずれの場合でも、各国の国家主権や領土保全、さらにはその上での恒久的な世界平和については決して譲れないものの、それ以外の面については、世界という運命共同体の一員として、世界が存続するために適切なラインでの妥協は必要なことと思われます。

今後ますます世界の多極化が進む中、世界という運命共同体の存続のためにも、各国の責任者は「時には自分のレートを割る」ことも受け入れる必要があるのでないでしょうか。それではまた。

この番組は、IRIBイランイスラム共和国国際日本語通信パールストゥデイがお送りしています。

 


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