May 15, 2021 14:30 Asia/Tokyo

皆様こんにちは。このシリーズでは、イランで実際に使われているペルシャ語の生きたことわざや慣用表現、言い回しなどを毎回1つずつご紹介してまいります。

今回ご紹介するのは、「ひな鳥は秋の終わりに数える」です。

ペルシャ語での読み方は、Juuje raa aakher-e paaiiz mi-shomaarandとなります。

このことわざは、物事の始まりがよかったからといって後先の困難を考えず、結果を楽観視することへの戒めとして使われます。

昔、イランでは特に養鶏が家庭の主婦の重要な責務とみなされていた時代がありました。春には卵が孵化したくさんの雛が孵ります。そこだけに注目すると雛が全部育って鶏の数が増える、と思いたくなります。しかし、実際はそうではなく、彼らが大きくなるころ、すなわちそれから約半年後の冬至である秋の終わりまでには病気などで死んだり、または思わぬ災害などで飼っていた鳥たちを失うことは決して珍しいことではありません。鳥たちの世話の結果が確定するのはまさに、秋の終わりということになります。

このため、幸先のいいスタートであったとしても有頂天にならずに、きちんと最後の結果を見る必要があるということを、このことわざは意味しています。長丁場にはスランプや中だるみも考えられますし、竜頭蛇尾ということもありますので、注意したいものですね。それではまた。

 

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