ペルシャ語ことわざ散歩(80)「誰かの手足をクルミの皮の中に入れる」
1月 27, 2022 09:05 Asia/Tokyo
皆様こんにちは。このシリーズでは毎回、イランで実際に使われているペルシャ語の生きたことわざや慣用句、言い回しなどを1つずつご紹介してまいります。
今回ご紹介するのは、「誰かの手足をクルミの皮の中に入れる」です。
ペルシャ語での読み方は、Dast o paa-ye kasii raa tuu-ye puust-e gerduu gozaashatanとなります。
この表現は、すぐ信じやすく騙されやすい人に何かをするよう薦め、薦められた人が後先のことも考えずにそれを実行に移し、問題に陥るという状態を表しています。つまり、ある人に対し、その人が自分でもどうしてよいか分からない仕事などを与えて困らせる、もしくは単純に「ある人を、二進も三進もいかない苦境に陥れる」という意味を表します。
この表現は、実はもともとは人間に関してではなく、「猫の手足をクルミの皮に入れる」という形で使われていました。つまり、いたずらや盗みを働く猫に手をこまねいていた人が、猫のいたずらを止めさせるべく、コールタールを溶かしてクルミの皮の中に入れ、そのクルミの皮の中に猫の手足を入れたとされています。こうすることによって、その猫は盗みを働くことはおろか、足音に気づかれずに歩くこともできなくなったというわけです。
イランの文化や食文化にはクルミがよく出てきますが、今回はクルミが使われている慣用句の例をご紹介しました。次回もどうぞ、お楽しみに。
タグ

