イラン司法府人権本部書記、「欧州は制裁解除に向けた足がかりを踏み出していない」
ガリーブアーバーディ・イラン司法府人権本部書記が、「欧州が制裁に関与していることを無視してはならない」とし、「欧州はこれまで長年にわたり、各種制裁の解除に向けた足がかりを踏み出していない」と語りました。
アメリカは2018年5月8日、対イラン核合意から正式に離脱し、過去の複数の制裁を再発動したとともに、同国に対し追加制裁を行使しています。
ヨーロッパはアメリカの核合意離脱および対イラン制裁行使後、この多国間協定への残留および完全な支持を約束していましたが、そのいずれも実行していません。
IRIB通信によりますと、ガリーブアーバーディ書記は「わが国はテロにより2万5000人もの犠牲者を出している」とし、「その一方で、アメリカ政府により史上最も圧政的な制裁が、イラン国民に対し行使されている」と語りました。
そして、国連のイラン担当特別報告者アリーナ・ドゥハン氏の報告にも触れ、「ドゥハン氏は重要なことを言っている。それは同氏の報告や記者会見でも述べられているとおり、各種制裁がイラン国民の人権のあらゆる側面に影響を及ぼしている、ということである」と述べています。
さらに、スウェーデンで拘束中のイラン人ハミード・ヌーリー氏の問題にも触れ、「この事件は広範な人権侵害であり、まったく根拠のない完全に政治的なものだ」としました。
ヌーリー氏は、2019年11月9日にスウェーデンへ入国した際、同国の治安当局により家族問題を理由に身柄を拘束され、それ以来30ヶ月以上にわたり拘留されています。
ヌーリー氏は拘束後、あらゆる国際法に反して4ヶ月の間、自身の家族と連絡を取る許可を与えられませんでした。スウェーデン司法当局はまた、ヌーリー氏を2年間独房に拘留し、家族が同氏に会うため幾度もスウェーデンを訪問していたにも関わらず、面会の機会を設けて直接会うことを許しませんでした。
ヌーリー氏は、34年前のイランでの事件に関与したとして、スウェーデンの検察庁から罪に問われていますが、この事件の原告は、ほとんどが反イランテロ組織MKOモナーフェギンのメンバーです。
一方、1979年のイラン・イスラム革命以来、モナーフェギンはテロ活動で1万7000人以上のイラン市民を暗殺してきました。このテロ組織はまた、非人道的な行動と人道に対する犯罪を引き起こしたことから、世界の多くの国のテロ組織リストに加えられています。