12月 08, 2022 16:09 Asia/Tokyo
  • イラン国営放送が運営する衛星英語放送・プレスTVのマイク
    イラン国営放送が運営する衛星英語放送・プレスTVのマイク

イラン国営放送が運営する衛星英語放送・プレスTVが声明を発表し、仏通信衛星企業ユーテルサットによる同局の放送停止を非難した上で、「当放送局は今後とも、声なき人々の声であり続けるとともに、今回の事態も今後の放送活動に向けた新たな機会としてみせる」と表明しました。

ヨーロッパ全土を初め、西アジア、アフリカ、インドなどアジアの大部分、南北アメリカなどを網羅するユーテルサットは、数週間前にEUがプレスTVを制裁対象としたことをうけ、同TVの放送を停止しました。

EUは最近、「民主主義への支持」を口実に、プレスTVを含むイランの複数の機関と数名の個人に制裁を行使しています。

プレスTVは7日水曜、声明の中で、「ユーテルサットの敵対的行為、わけてもEUの行動は、英語圏メディアにおける唯一のイラン国民の声を沈黙させるように計画された一連の行動の 1 つである」と表明しています。

また、「ツイッターにはじまりフェイスブック、インスタグラム、ユーチューブに至るまでのSNSのユーザーアカウントの閉鎖、さらには米国司法省による当放送局のウェブサイトのドメインの没収、およびわが局の職員や幹部関係者への制裁は、まさに米財務省とEUによるメディアテロの一部である」としています。

この声明ではさらに、同局のキャスターであるマルズィエ・ハーシェミー氏が過去にアメリカ当局に逮捕されたことにも触れた上、「現在、プレスTVネットワークと欧米の対立は最高潮に達している。またEUは、プレスTVがヨーロッパの真の姿を欧州自身と世界に暴露し、また本物のイランのイメージダウンに立ち向かうネットワークであることを熟知している」とされています。

プレスTVはさらにこの声明において、ヨーロッパが複数の反イラン体制派メディアのスポンサーとなっていることにも触れ、「ヨーロッパは、憎悪、分断、フェイクニュースの拡散、イランの暴徒による残忍な殺戮行為や暴力の理論化に沈黙を決め込むとともに、イラン市民の公安かく乱を目的とした国内各都市での破壊行為と暴動を訓練・奨励するメディアの組織化、分離主義者集団の扇動、外国のテロリストの狡猾な支援に見て見ぬふりをし、これらを言論の自由呼ばわりしている」としました。

加えて、「アフリカやアジア諸国で相変わらず植民地主義と人権犯罪の痕跡を残しているEUによる表現の自由、特に人権問題に対処するための二重基準の採用は、もはや常套手段となっている」としました。プレスTVは近年、事実無根の口実により通信衛星運営企業から何度も圧力を行使されています。今回のユーテルサットの措置は、メディアの自由と国際法に反するものです。先週にはアメリカも、IRIBイラン国営放送総裁及び、ノウルーズィー同国際放送局長など一部のIRIB関係者を制裁対象リストに加えました。

 


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