イラン外相「ガザ戦争めぐり米政府内で対立」
イランのアミールアブドッラーヒヤーン外相は、アメリカをはじめとする西側諸国からイランに対して、ガザ戦争の拡大を制御するよう求める要請が来ていることに触れ、「現在、ホワイトハウス内では、なぜこれほどアメリカがイスラエルと親密なのかをめぐって政治的対立が生じている。どのように面目を保ちながらガザ戦争から撤退できるか話し合われている」と語りました。
テヘランで23日、世界40カ国の政府やその他29カ国からNGO、宗教指導者、メディア関係者などが出席し、パレスチナをめぐる国際会議が開かれました。この会議の主な目的は、パレスチナ支援のためにさらなる政治的・国際的協調を促すことです。
イルナー通信によりますと、アミールアブドッラーヒヤーン外相はこの会議の終了後、「(10月7日以降の)この70日間、アメリカや西側諸国からイランに寄せられるメッセージは、例外なく戦争の拡大をイランが制御すべきだというものだ」と述べました。
同外相はその上で、「イラクやシリアの抵抗勢力は、両国にある米軍基地を攻撃対象としている。アメリカは、この攻撃を止めるよう常に(イランに)助けを求めてきている。しかし、戦争の当事者でありながら、他者が何もしてこないことを望むというのは通らない」と語りました。
アミールアブドッラーヒヤーン外相はまた、「シオニスト政権の支持勢力は、戦争の継続は解決策ではなく、今の状況はアメリカの威厳を揺るがしていることに気付いた」と述べました。
そして、「アメリカはガザ戦争においてイスラエルを支援し、自らも罪を犯した。イスラエルの政治・軍・諜報機関の高官らとともに、ガザ市民に対して行った行為により訴追されるべきだ」と述べました。
アミールアブドッラーヒヤーン外相はまた、「イランは、アメリカが言うような代理勢力を地域において有していない。彼らは自国民の安全と利益を確保するために行動しているだけである」と述べました。
そして、「我々は戦争の拡大は望んでいない。アメリカがイスラエルにフリーハンドを与え、その軍司令官や政治・諜報関係者が総力をあげてガザ市民に対するジェノサイドを支援していることは、戦力的過ちである」と語りました。
また、「解決策は、紅海で有志連合艦隊を結成することではなく、ガザとヨルダン川西岸でさらなる流血を防ぐことである」と述べました。