一日一冊、本の紹介(4)
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今から71年前、アメリカによる広島への原爆投下は、大きな悲劇を生みました。
(last modified 2025-08-16T09:55:59+00:00 )
11月 29, 2016 16:50 Asia/Tokyo
  • 一日一冊、本の紹介(4)

今から71年前、アメリカによる広島への原爆投下は、大きな悲劇を生みました。

毎年、広島の原爆記念日には慰霊式が行われます。数年前、イランのある団体がこの式典に招待されました。この団体は1980年代のイランイラク戦争の聖なる防衛時代に化学爆弾による被害を受けた8人で、同行していた2人の女性通訳もこの関係者でした。そのうちの一人は、日本語を学ぶ修士課程の学生で、70%の化学爆弾被害者の子供でした。もう一人はイランに住む日本人女性で、イランイラク戦争の前線で殉教した息子を持つ母親でした。

「咳が語る旅」という本は、イランイラク戦争の聖なる防衛を知るハミード・ヘサームが記した旅の物語です。イランは大量破壊兵器の最大の犠牲国であり、この本は、語り手とそれに同行した人々が日本の各地を旅したときの様子が記されています。この本の中では、彼らが見たり聞いたりした事柄と戦争と平和というテーマの関係が見事にあらわされています。しかし、この作品の優れた点は、作者の視点、そして、周囲の現象と自身の考え方の間の関係にあり、それが物語の魅力を増しています。

作者のヘサームは、この本の中で、化学兵器への非難における日本とイランのつながりについて述べ、現在、この問題に関してイランと日本の間に存在する関係は、奇跡に近いとしています。イランと日本は、これまで国民レベルで双方向の関係を保ってきました。

この本の一部には次のようにあります。「イランの化学兵器の被害者の数が、原爆の犠牲者の数よりも多いということはあまり知られていない。これは大きな苦痛であり、私は自分のペンでそのことを明らかにしようとした。世界のメディアが、イランを世界第二位の脅威だと伝えている中で、イラクがイランに対して行った化学兵器の戦争において、イランがどれほど抑圧されていたかを世界に伝えていく必要がある」

「咳を語る旅」という本は、208ページあり、イランで出版されています。