テロ犠牲者支援協会がスウェーデン大使に抗議文書
イランにあるテロ犠牲者支援協会が、駐テヘラン・スウェーデン大使に宛てた公開書簡において、スウェーデン司法機関が反イランテロ組織MKOモナーフェギンに同調していることを批判しました。
この書簡は、現在スウェーデンの刑務所に収監中のイラン人ハミード・ヌーリー氏に対する起訴状の発行を理由とし、テヘラン駐在スウェーデン大使に対し作成、送付されたものです。
ハミード・ヌーリー氏は2019年11月9日、スウェーデンへの入国時に同国の治安当局により身柄を拘束され、それ以来2年半近くにわたり抑留中です。
この書簡においては、「スウェーデンは、ラジャビ氏率いるテロ組織MKOなどの犯罪者やテロリストにとって安全な避難所になっている」と記されています。
また、「スウェーデンの司法機関は、異端である国際テロ組織MKOに公然と同調し、女性や子どもを含む無辜のイラン国民1万7000人の殺害に手を染めてきたこの犯罪組織の訴えを受け入れ、ヌーリー氏の裁判において、自らのメンバーにさえも容赦しないこの異端集団の犯罪を、事実をは真逆に見せようとしてきた」としています。
そして、「我々は、スウェーデン司法機関による、国際的な原則のすべてに反したこの行動を強く非難するとともに、スウェーデン司法機関によるこの笑止で非人道的な見せしめ行為の即時停止、並びにスウェーデン国内に匿われたこの異端派の要員、および全てのテロリストの裁判と国外追放を求める」となっています。
さらに、「イラン国内の抑圧されたテロ犠牲者の遺族らは、この法廷での虚偽りの証言を行った、あるいはこの不当な裁判の便宜をはかることで、人権の基本原則に反してハミード・ヌーリー氏を2年間不当に収監し、またそれによってイラン国民に対しても様々な機関において欺瞞や虚言をはたらいてきた、すべての人物の裁判を要求する」とされています。
アミールアブドッラーヒヤーン・イラン外相が、スウェーデンのリンデ外相と会談し、現在裁判のため同国に抑留中のイラン人ハミード・ヌーリー氏の即時釈放を求めました。
アミールアブドッラーヒヤーン外相は4日水曜、リンデ外相との電話会談で、スウェーデンでのヌーリー氏に対する裁判の実施に触れ、「イランは、ヌーリー氏の拘束・裁判手続きを違法だとみなしており、同氏の即時釈放を要求する」と語りました。
これに先立ち、ヌーリー氏の政治的拘束が続けられていることを受けてテヘラン駐在のスウェーデン大使がイラン外務省に呼び出され、イラン側からの強い抗議が通告されています。
イラン外務省西ヨーロッパ局長・外相補佐官は、今回のスウェーデン大使召喚において、ヌーリー氏の拘束や裁判手続きを完全に違法なものだとするとともに、反イランテロ組織MKOモナーフェギンによる偽りの吹き込みや企みの影響によるものだとし、同組織による反イラン的な世論操作を強く非難しました。
MKOは1979年のイラン・イスラム革命の当初から現在まで、数々のテロ作戦において1万7000人以上のイラン市民をテロ暗殺しています。