視点;サウジ石油施設の中心に対するイエメンの攻撃、その重要な側面
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イエメン軍の無人機による、サウジ・アラムコ社施設への攻撃
14日土曜に発生した、サウジアラビアのサウジアラムコ社の石油施設に対するイエメンの無人機による攻撃は、短期および長期的な影響を伴うと見られています。
今回の攻撃の短期的な影響の1つは、サウジアラビアの石油生産の50%が停止されることです。
就任して間もないサウジアラビアのアブドルアジズ・エネルギー相は、昨日の無人機による攻撃で、サウジアラビアの石油生産量が500万バレル以上減少したことを認めました。サウジの政府関係者が、同国領の中央部におけるイエメン空軍の作戦を認めたのは、これが初めてのことです。
第2の短期的な影響としては、サウジアラムコの大きな経済的損失です。
米メディアCNBCは、サウジアラムコの蒙った損失は310億ドルにのぼると報じました。
第3の短期的な影響は、サウジの証券市場に対する影響で、今回は2%の下落を記録しました。
今回の攻撃がもたらす長期的な影響が、より大きな重要性を有していることに疑いの余地はありません。イエメンの無人機の攻撃を受けた地域は、アブドルアジズ大臣が言うところの「サウジの石油産業の中心地」でした。米の金融情報紙ブルームバーグは、今回の攻撃を分析し、攻撃されたアブカイク精油所の位置づけに注目した上で、「今回の攻撃はサウジの心臓発作を招いた」と報じています。
もう1つの点は、今回の攻撃が脱石油依存型経済を目指すサウジアラビアの国家長期戦略「ビジョン 2030」に直接ひびき、同国ムハンマド皇太子の夢までもが水泡に帰す可能性があるということです。ムハンマド皇太子は最近、サウジアラムコの株の5%の譲渡に反対したことを理由に、ハーリドアルファテフ前エネルギー相を解任、後任にアブドルアジズ王子を任命しました。そしてこの行動の目的は、サウジアラムコの株の譲渡を妨害する因子を排除することにありました。しかし、イエメンのシーア派組織アンサーロッラーによる今回の攻撃により、サウジアラムコの株の一部譲渡が困難、あるいは取りやめになる可能性が浮上しています。
これに加えて、ムハンマド皇太子は、「ビジョン2030」を初め自らの主要な目標の1つにサウジの石油部門に対する外国投資の誘致を掲げています。外国投資の誘致には何よりも安全が必要です。特に昨日発生したような、イエメン軍によるサウジアラムコの石油施設への連続攻撃は、サウジが不安定化しており、同国の環境が投資にふさわしくないことを意味しています。
最後の点は、イエメンの首都サヌアから1200キロも離れたサウジアラビア東部の石油施設が攻撃されたことに注目すると、サウジ全域の経済インフラがイエメン武装軍の射程圏内にあることが明らかになったということが指摘できます。この現実により、イエメンとの激戦を繰り広げるサウジアラビアにとって、この状況からの脱出が極めて困難であることが明らかになっているのです。
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