IEA、「世界は石炭の時代に戻った」
(last modified Tue, 02 Aug 2022 09:12:54 GMT )
8月 02, 2022 18:12 Asia/Tokyo
  • 石炭    
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IEA・国際エネルギー機関が最新の報告書で、「市場における石炭需要が記録を塗り替えており、ロシア産ガスの輸入減少やEUでの石炭利用への回帰、エネルギー市場の供給不足から、この傾向は続くと見られる」としました。

IEAは、世界の石炭需要が2022年に80億トンに達するとしています。これは2013年に記録した消費量に匹敵し、2023年にはさらに増加すると見られています。

同機関の最新報告は、「ガス価格の上昇により、石炭の需要が増加している。多くの国は、ガス消費の大部分を石炭にシフトさせ、以前に閉鎖した石炭火力発電所の再稼動を余儀なくされている」と説明しました。

続けて、「世界の石炭消費量の半分以上を占める」中国が、今年上半期には需要を3%減らしたものの、下半期では需要増加を牽引するだろうとしました。

またインドでも、経済成長と電力消費量の上昇によって石炭の需要が増加すると予想されています。

一方でEUも、ロシア産ガスの輸入減少のために、ガスの代替もしくは冬に向けた備えとしての石炭を用いた電力発電に目を向けていることから、石油需要を押し上げると見られています。

IEAはさらに、「天然ガス価格の上昇により、多くの市場で石炭の需要が高まり、その世界価格は上昇して2021年10月~2022年5月にはこれまでで最高水準に達した」と指摘しました。

そして、「ロシア産石炭に対する制裁は、市場を混乱させて供給不足を引き起こした。先物市場での価格は、来年以降も供給不足が続くことを示している」としました。

 


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