プーチン大統領が二重基準と世界の文化への脅迫への終止を求める理由とは?
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プーチン・ロシア大統領が、ダブルスタンダード・二重基準と世界の文化への脅迫に終止符を打つよう求めました。
(last modified 2025-09-13T09:46:26+00:00 )
9月 13, 2025 18:02 Asia/Tokyo
  • プーチン大統領が二重基準と世界の文化への脅迫への終止を求める理由とは?
    プーチン大統領が二重基準と世界の文化への脅迫への終止を求める理由とは?

プーチン・ロシア大統領が、ダブルスタンダード・二重基準と世界の文化への脅迫に終止符を打つよう求めました。

【ParsToday国際】、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は12日金曜夜、同国サンクトペテルブルクでの国際統合文化フォーラムにて、世界におけるダブルスタンダードの適用を止め、独立国の文化を脅かす一部の国の行動を阻止するよう呼びかけています。

第11回サンクトペテルブルク国際統合文化フォーラムは今月11日から13日土曜にかけて、40カ国以上と4つの国際機関の閣僚や高官文化関係者、芸術家らが出席して開催されています。

プーチン大統領はさらに「文化及び伝統のアイデンティティと多様性を守るための各国の共同努力は、今日の世界にとって不可欠である」と語りました。さらに「世界各国が世界のサブカルチャーの消滅の脅威に立ち向かう必要がある」と訴えるとともに、偏見やダブルスタンダード、そして他国の文化の脅迫を狙った一部の国の行動から世界が解放されるよう呼びかけました。

また「世界の文化の多様性が増すほど、より豊かで真正になり、我々が共有する文化遺産は一層豊かになり、地球全体の未来がさらに持続可能なものになる」と述べています。

プーチン大統領は演説の中で、2つの重要な問題を強調しました。まず1つ目は、世界におけるダブルスタンダードの適用という問題です。これは明らかに西側諸国とその覇権的なアプローチ、すなわち様々な問題への対応においてダブルスタンダードを適用することを指しています。西側諸国、特に西側の筆頭国である米国は、テロ、人権と自由、そして制裁といった、神経を要する議論の多い問題への対応において、常に二重の矛盾した基準を用いています。西側諸国によるダブルスタンダードの問題は、イランのような西側の覇権に反対する国々、そして中国やロシアのような西側にとってのライバル国の側から幾度となく提起されてきました。米国を筆頭とする西側諸国のアプローチ、立場、行動を見ると、西側諸国はこれらの概念について独自の限定的な定義を持ち、いわば独自の尺度と基準でそれらを検証し、立場をとっていることがわかります。これらの概念が世界の様々な地域や国によって異なる側面を持っている中で、西側諸国が自らの物差しで他国を判断するのは不当だと言わざるを得ません。

一方、欧米諸国はこれらの概念を手段として見なしており、テロリズムのような現象が自国の利益に合致する場合は沈黙するか、あるいは支持します。こうした現象の代表例として、2011年以降のシリア戦争において、米国主導の西側・アラブ連合軍がタクフィール派テロ組織を支援したことが挙げられます。しかし、その同じ欧米諸国は、パレスチナ人組織、レバノンのイスラム抵抗組織ヒズボッラー、イエメンのイスラム抵抗組織・アンサーロッラーなどを含む反シオニスト組織をテロ組織呼ばわりしています。人権問題においても、欧米諸国は同様のアプローチをとっており、米国は一般的に西側諸国の覇権に従わない諸国を人権侵害で非難する一方で、人権尊重の分野で明らかに最悪の実績を持つ自らの同盟国や国々については沈黙を守るか、あるいはごく軽微な批判にとどまっています。そして最も重要なことは、これらの諸国における人権侵害が、彼らとの政治・軍事関係に全く影響していないことです。

人権に対する西側諸国の矛盾したアプローチは、人権団体からも批判されています。この点に関して、国際人権NGOアムネスティ・インターナショナルは2025年3月下旬、西側諸国に敵対する諸国での人権侵害への対応における西側諸国の二重基準、そしてシオニスト政権イスラエルを含む一部の同盟政権に対する生ぬるい対応を強く批判しました。

プーチン大統領が提起した2つ目の要求は、現代世界における文化・伝統のアイデンティティと多様性の保全の必要性です。プーチン氏によれば、国民文化は他の文化との交流を通じてのみ豊かさを増します。この点において、西側諸国、特に米国の行動は西側世界の生活様式、価値観、伝統を他の国や社会で推進し、最終的には押し付けることを目的としており、世界の様々な国々が持つ固有の、そして長年培われてきた文化と伝統を破壊し、アメリカ的な生活様式を定着させようとしています。

世界的な傾向として、特にグローバルサウスと呼ばれる南半球に多い新興国・途上国は、西洋の価値観や生活様式の押し付けに抵抗し、西洋文化に抵抗して自らの国民的アイデンティティや先住民族の文化や伝統を守ろうとしています。しかし、その一方で、意見交換や社会の文化レベルの向上につながる文化間の対話は別の問題です。この点について、プーチン大統領は「特にAI人工知能を含む急速な技術発展の時代において、文化間の対話の問題が重要である」と述べ、「我々の共通の課題は、危険や社会的・公共的な悪影響、特に何物にも隷属しない自由と人権の価値、倫理・精神的基準の低下、国民性や文化的多様性の喪失を回避することであり、これは国際舞台での共同の努力なしには不可能である」と語りました。

 

 


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