国境なき医師団が、ミャンマー軍の犯罪行為について報告
国際NGO・国境なき医師団が、「今年の8月下旬に始まった、ミャンマー西部ラカイン州での政府軍の弾圧行為の最初の1ヶ月間だけで、6700人以上のロヒンギャ族のイスラム教徒が殺害された」と表明しました。
フランス通信によりますと、国境なき医師団の医療ディレクター、シドニー・ウォン氏は14日木曜、このことを明らかにするとともに、「今年の8月25日から9月25日までの間に行われた暴力行為に関する調査によると、ミャンマーの政府軍と過激派仏教徒の犯罪行為により、730人の5歳以下の子供を含む6700人以上のロヒンギャ族のイスラム教徒が殺害されている」と語っています。
また、「死亡者の69%の死因は、銃弾による負傷であり、ロヒンギャ族のイスラム教徒の9%が自宅に閉じ込められたまま焼殺され、5%は殴打により死亡した」と述べました。
さらに、「5歳以下の子どもに関するこの報告では、全事例の60%が銃弾の命中により命を落としている」としました。
これ以前にも、国連の関係者が、ミャンマーにおけるロヒンギャ族のイスラム教徒に対する政府軍の軍事作戦を、民族浄化であるとしています。
国連のセイド難民行動弁務官も、ミャンマーでのイスラム教徒の殺害を、大量虐殺だとし、スイス・ジュネーブでの国連人権理事会の会合でも、ミャンマーのロヒンギャ族のイスラム教徒の状況を調査する必要性を強調するとともに、イスラム教徒に対する行動に関する調査を必要だとしました。
国連人権理事会も、これ以前に決議を採択し、ミャンマー政府に対しイスラム教徒に対する暴力の停止を求めています。
ミャンマーでは、ロヒンギャ族のイスラム教徒がこれまで長年にわたり、人権や社会的な権利を供与されないまま、極めて劣悪な状態に置かれています。