7月 15, 2018 00:06 Asia/Tokyo
  • アフィーフアーバード(ゴルシャン)庭園
    アフィーフアーバード(ゴルシャン)庭園

今回は、イラン南部の町シーラーズの美しい庭園についてお話しましょう。

イランにある様々な都市の中でも、シーラーズは数多くの美しい庭園の存在によって知られています。シーラーズの町を目にし、この町の庭園の美しさに感動しない人はほとんどいないと言ってよいでしょう。

シーラーズ

 

シーラーズにある庭園の中でも最も古く美しいのは、アフィーフアーバード、あるいはバーグ・ゴルシャンと呼ばれる庭園です。アフィーフアーバード庭園は、およそ12万7000平方メートルの面積を有志、イランの園芸の完全なモデルとなっています。この庭園は、サファヴィー朝時代に、皇帝の重要な散策地の一つでした。しかし、ガージャール朝時代に、ミールザーアリーハーン・**という人物が、この庭園を買い取り、新しく木を植えて、美しい建物を建てました。ガージャール朝末期、この庭園は創設者の姪のアフィーフェ夫人の手に渡ります。彼女はこの庭園に大きな変更を加えました。そのため、このときから庭園は、アフィーフアーバードと呼ばれるようになったのです。現在、この庭園は、宮殿や古い武器の博物館、イラン式庭園からなる博物館となっており、一般に公開されています。

アフィーフアーバード(ゴルシャン)庭園

 

ゴルシャン庭園は、長い歴史を有しながら、その昔からのシンプルさを失っておらず、近代的な庭園装飾は見られません。ゴルシャン庭園の入り口は北向きで、4本のシンプルな石膏の柱が見られ、柱の上にはペルセポリスの柱と同じデザインの漆喰細工が施されています。入り口から延びる通路の両側には、庭を手入れする人々が暮らすための部屋があり、その点上は、美しい幾何学模様の木の枠で覆われています。入り口から延びる通路の**には、7色のタイル細工が施されています。短い通路を抜けると、そこには庭園のメインの空間があり、その周りはレンガの壁で囲まれています。

アフィーフアーバード(ゴルシャン)庭園

 

ゴルシャン庭園のメインの建物は、エラム庭園と同じように東向きです。この建物の前には石で縁取られた大きな池があり、常に水が流れています。池の前から庭園のメインの通りが始まり、真ん中には水路と花畑、両側には杉やすずかけの木が並んでいます。庭園の広い敷地内には大きな花壇ができており、それらは通路によって互いに仕切られています。これらの花壇は独自の秩序で分類されており、様々な種類の木が植えられています。庭園軒側にも大きな空間があります。さらに、庭園の中央には、ザンド朝やガージャール朝時代の建物である美しい宮殿が建っています。

アフィーフアーバード(ゴルシャン)庭園

 

宮殿は2階建てで、下の階は地下にあり、そこには美しい池があって、東側には色鮮やかな格子窓がつけられています。現在、この階は軍事博物館になっており、様々な種類の武器が展示され、中東最大の近代兵器博物館となっています。そこに展示されているのは、刀や弓といった冷兵器、重火器、剣、やり、盾、銃、火打石、猟銃、ピストルなどです。この他、ガージャール朝の皇帝たちの個人の銃やかつての運動の闘争家たちの武器なども展示されています。

ゴルシャン庭園の宮殿の2階は、長い廊下があり、その両側には向かい合う形で美しい部屋が並んでいます。また、中央には壮麗な広間があり、木製の天井には、宴や狩猟の様子、植物のデザインのデザインが見られます。さらに、壁の周りには、美しいムカルナスと呼ばれる鍾乳石状の装飾や漆喰細工が施されています。建物の扉や小窓は、ステンドグラスや木材で作られています。この博物館には、会議のための場所や広間、書斎、応接間、その他の部屋があります。

 

入り口の建物の西側、壁の裏側には、庭園の公衆浴場・ハンマームがあります。このハンマームは、シーラーズの古い公衆浴場を示す興味深い例です。ハンマームの建物は、イランの伝統的な方法によって建てられており、冷水と温水の2つの浴槽があります。この浴場の壁には浮き彫り細工が見られます。

アフィーフアーバード(ゴルシャン)庭園

 

 

ジャハーンナマー庭園も、シーラーズにある最も古い庭園の一つで、芸術的な園芸が見られる美しい庭園です。この庭園は、モザッファル朝とインジュー朝時代、すなわち、ティムール朝の攻撃を受ける前までが隆盛期でした。ティムール朝時代の歴史家、イブン・アラブシャーは、著書の中で、そこを世界の装飾と呼んでいます。ジャハーンナマー庭園は、ティムール朝の皇帝がシーラーズに滞在した際、他の庭園と同様、彼に注目されました。そして、彼の出身地であったサマルカンドの周辺に同様の庭園が建設され、ジャハーンナマーと名づけられました。シーラーズのジャハーンナマー庭園は、サファヴィー朝時代にも繁栄を遂げました。(次の一文はカット)

ジャハーンナマー庭園

 

ジャハーンナマー庭園は、著名な河川で潤され、シーラーズのハーフェズ通りから、ハーフェズの墓、コーランの門、国立公園、国立図書館などの間に位置しています。ザンド朝のキャリームハーンは、イスラム暦1185年にこの庭園の周りを柵で囲み、中央に小さな建物を作り、建物の周りに美しい通りを引いて植物を植えました。この庭園のデザインは、内側に4本の通りを持つ者で、その両側には2つの大きな池と2つの小さな池が造られています。ジャハーンナマー庭園は、2004年にファールス州文化遺産協会の協力により、シーラーズ市によって再生されました。現在、この庭園は、非常に美しい姿に生まれ変わっており、一般の人々に利用されています。この庭園にも、帽子の形をした2階建ての建物があります。

ナーレンジェスタン・ガヴァーム

 

ナーレンジェスタン・ガヴァームも、シーラーズにある貴重な歴史的庭園です。この庭園は、世界遺産に登録スル価値があり、そのために現在、調査が進められています。ナーレンジェスタン・ガヴァームは、ガヴァームの庭園として知られています。この庭園は、ガージャール朝時代にファールスを治めた**2世にの指示によって建設されました。ナーレンジェスタンの建物は、3500平方メートルの敷地面積に940平方メートルの床面積で、シーラーズの芸術家により、南側と北側に建てられています。この建物は、1966年、シーラーズ大学に寄贈され、1969年から79年まで、イラン学者のポープ博士が率いるアジア協会によって使われていました。

ナーレンジェスタン・ガヴァーム

 

ガヴァームの庭園の建物は、外側と内側の2つの部分から成り、それらは地下にある通路によって結び付けられています。外側には外国の客人をもてなすための壮麗な宮殿があり、3階建てで、鏡細工やミニアチュール、ガラス細工、象眼細工、ムカルナスなどのイランの建築や芸術のコレクションとなっており、ガージャール朝時代の傑作のひとつです。内側は、現在、独立した博物館になっていますが、**の邸宅として知られています。この邸宅は数年後に建設され、20個の部屋があり、ガヴァーム一族の私邸として使われていました。

 

ナーレンジェスタン・ガヴァームの中庭は非常に美しいものです。この庭園がナーレンジェスタンと呼ばれるようになったのは、この中庭に多くのナーレンジ・オレンジの木が植えられているためです。この庭園は特に春と秋に、独特の美しさをかもし出します。春には美しい花々が咲き、秋には輝く太陽のようなオレンジの果実をつけ、いい香りを漂わせます。