11月 19, 2022 20:30 Asia/Tokyo

コーラン第35章ファーテル章創造者、第9節~第11節

慈悲深く、慈愛あまねき、アッラーの御名において

 

第9節

「また神こそは、風を送り、雲を作らせる方である。その後、我々はそれを死んだ大地へと運び、それによって、死んだ大地を蘇らせた。復活もまた、同じである」

(9)وَاللَّهُ الَّذِی أَرْسَلَ الرِّیَاحَ فَتُثِیرُ سَحَابًا فَسُقْنَاهُ إِلَى بَلَدٍ مَیِّتٍ فَأَحْیَیْنَا بِهِ الأرْضَ بَعْدَ مَوْتِهَا کَذَلِکَ النُّشُورُ

 

前回の番組では、最後の審判での敬虔な人々と不信心者の地位についてお話しました。この節は、復活が起こることに疑いを抱き、それを不可能だと考える人々に対し、次のように語っています。「神は現世でも毎年、冬には木々を枯らせて死なせ、春になるとそれらを蘇らせている。あなた方人間の復活もそれと同じである。風や雨を利用して乾いた大地を潤し、それによって大地や植物を蘇らせるような神には、死後、あなた方を再び土から蘇らせる力がないのだろうか?」

 

第9節の教え

  • 風が、海の上にある雲を乾いた大地へと動かし、死んだ大地や他の自然現象を蘇らせるののは、偶然のことではありません。これらは皆、世界を創造した神の意志によるものなのです。
  • 創造世界には秩序や計画があります。それは、神の役人である天使たちを通して、神によって管理されています。

 

第10節

「誰でも誇りを求める者、誇り、すべては神のものである。清らかな言葉が神のもとへとあがり、ふさわしい行いがそれを高める。また、醜い行いのために計画を立てる者たち、彼らには厳しい責め苦があり、彼らの策略は水の泡となるだろう」

(10)مَنْ کَانَ یُرِیدُ الْعِزَّةَ فَلِلَّهِ الْعِزَّةُ جَمِیعًا إِلَیْهِ یَصْعَدُ الْکَلِمُ الطَّیِّبُ وَالْعَمَلُ الصَّالِحُ یَرْفَعُهُ وَالَّذِینَ یَمْکُرُونَ السَّیِّئَاتِ لَهُمْ عَذَابٌ شَدِیدٌ وَمَکْرُ أُولَئِکَ هُوَ یَبُورُ

 

世俗主義者は、自分の栄誉を、富や権力を手にしたり、支配的な権力とつながりを持つことの中に見出し、それらを手に入れるために全力を尽くします。しかし、コーランは次のように語っています。「真の栄誉とは、神を頼りにし、神を信じ、神に服従することによって得られる。なぜなら栄誉とは、影響力や失敗、敗北を受け入れることではなく、創造の源、絶対的な力である神との結びつきがなくては、そのような特徴が人間にもたらされることはない」

 

この節は続けて、栄誉を手にするための道は、正しい信条をもち、よい行いをすることだとし、次のように語っています。「神のもとへと昇り、人間を向上させるのは、信仰とよい行いであって、それ以外のものではない。とはいえ、一部の人々は、策略や欺瞞により、栄誉を手に入れることができると考えている。たとえ一時的には自分の誤った欲求をかなえられたとしても、最終的に、彼らの陰謀は水の泡となり、彼らは不名誉と屈辱を味わうことになる」

 

第10節の教え

  • 真の栄誉とは神のもとにあるのであって、人々のもとにあるのではありません。今日は人々に愛されていても、明日には卑しめられる人が数多く存在します。しかし、敬虔な人々は、困難を極めた際にも愛され、影響を受けることはありません。
  • 信仰と行動の間には相互の関係が存在し、互いに影響を及ぼします。一方が他方を強化したり、弱めたりします。
  • 誰も、策略や欺瞞によって永遠の栄誉を手に入れることはできません。

 

第11節 

「神はあなた方を、最初に土から、その後に精液から創造された。それからあなた方をつがいにした。神の知識がないところで、女性やメスが妊娠することはない。また、聖典に記されている以外に、誰も長生きしたり、早死にしたりする者はいない。これは神にとってたやすいことである」

(11)وَاللَّهُ خَلَقَکُمْ مِنْ تُرَابٍ ثُمَّ مِنْ نُطْفَةٍ ثُمَّ جَعَلَکُمْ أَزْوَاجًا وَمَا تَحْمِلُ مِنْ أُنْثَى وَلا تَضَعُ إِلا بِعِلْمِهِ وَمَا یُعَمَّرُ مِنْ مُعَمَّرٍ وَلا یُنْقَصُ مِنْ عُمُرِهِ إِلا فِی کِتَابٍ إِنَّ ذَلِکَ عَلَى اللَّهِ یَسِیرٌ 

 

復活を否定する人々は、それが起こらないとする科学的な根拠を持っていません。それどころか、常にさまざまな質問を投げかけ、その可能性に疑いを抱きます。この節は次のように語っています。「もし再生における神の力に疑いがあるのなら、神があなた方を現世で土から創造できたというのに、なぜ、最後の審判で再びそのようなことを行うことができないのだろうか?

神は、精液の結びつきから、妊娠にいたるまで、あなた方の創造のすべての段階を知識と措置によって作り出し、そのすべてを知り尽くしている。そのような神が、最後の審判で無力に陥るというのか?そして誕生した後、あなた方は地上で生きている間、それが短かろうと長かろうと、神の力の範囲から抜け出すことはできない。そのすべてが神の知識の中に記録される。再生は神にとって難しいことだと考えるのか?」

 

第11節の教え

  • 人間の創造の源に注目することによって、神の力を知り、高慢になったり、無知になったりすることを防ぐことができます。
  • すべての人間は、預言者アーダムであろうと、普通の人間であろうと、土から創られ、土に返されます。
  • 人間の寿命は神によって決められます。神の知識により、一部の人の寿命は短く、また一部の人のそれは長くなります。
  • 人間の人生はすべての瞬間が記録されています。それらの記録は、最後の審判で人間の利益になったり、損害になったりします。