中国軍戦闘機が台湾付近を飛行
台湾付近での中国軍の軍事演習が終了した一方で、同軍の戦闘機や艦船は依然として台湾近くの空や海を巡回しています。
中国による大規模な軍事演習から2日後、台湾国防省は「中国軍の戦闘機26機と艦船9隻が依然として台湾近辺を巡回している」とし、「(台湾の)空・海軍や沿岸ミサイル防衛システムが状況を正確に分析し、対応する」と表明しました。
中国は、台湾の蔡英文総統とマッカーシー米下院議長が会談したことに反発し、8日土曜から10日月曜の3日間にかけて台湾近辺で軍事演習を行いました。
この演習で中国軍は、台湾への全面的な攻撃と空・海の封鎖作戦を行いました。
中国軍は声明の中で、「この演習は、台湾の分離独立勢力および外国勢力による陰謀に対する真剣な警告であり、領土と一つの中国を守るために必要な措置である」としました。
こうした中、蔡総統は自身のフェイスブックに、「私は自分の国を世界中に紹介する。今回のマッカーシー米下院議長との会談のような外国訪問は、今日に限ったことではない。台湾国民は私にそうした期待を持っている」と投稿しました。
マッカーシー米下院議長は今月5日に訪米した蔡氏を歓迎し、米国議員らの間で台湾支持が高まっていることを強調しました。
これに先立ち、中国はマッカーシー下院議長に対し、台湾総統との会談に際し、前任者ナンシー・ペロシ氏による「過去の致命的な過ち」を繰り返さないよう警告していました。
中国政府は常に、台湾が自らの主権下にあるべきだと主張しており、過去3年間にわたり台湾周辺で軍事作戦を実行し台湾を支配しようとしてきましたが、台湾政府は独立した主権を持っていると宣言し、台湾の命運は台湾市民が自ら決定すべきだと主張しています。
1979年、米国は中国政府と正式に国交を樹立する一方で、台湾と断交しました。米国は中国政府のとる「一つの中国」原則を受け入れているものの、台湾に対する国家主権という中国の主張を支持しておらず、依然として台湾に主要な軍事的支援を継続しています。