米韓首脳が北朝鮮対応で連携一致 バイデン氏はあす訪日へ
訪韓中のジョセフ・バイデン米大統領は21日土曜、韓国のユン・ソクヨル大統領と会談し、北朝鮮への対応などで連携することを確認しました。
韓国・ヨンハプ通信が21日土曜、報じたところによりますと、会談後両首脳は弾道ミサイルの発射実験を加速させている北朝鮮のけん制のため、米韓共同軍事演習の強化や米国の戦略的軍事資産の配備などで協力することを表明しました。
バイデン大統領は「米韓の緊密な連携を強化し、抑止力を向上させ、北朝鮮の脅威を含む地域の安全保障の課題において協働する」と述べています。
一方、北朝鮮の最高指導者・キム・ジョンウン氏との会談の可能性については、「北朝鮮の指導者と会うかどうかは、北朝鮮側がどれだけ誠実で、真剣かによる」と述べるにとどめています。
ユン大統領は、北朝鮮の非核化交渉については「会話の扉は開かれている」としています。
また、バイデン大統領は北朝鮮への新型コロナウイルスのワクチン支援について、「米国はすでに支援の用意があると提案したが、北朝鮮側からの回答はまだ受け取っていない」と明らかにしました。
さらに、両首脳は台湾への圧力を強める中国を念頭に、「南シナ海と台湾海峡の平和と安定を維持する必要がある」との見解を示しました。
時事通信などによると、バイデン大統領はあす、22日から日本を訪問し、天皇陛下と面会するほか、岸田文雄首相との日米首脳会談や日米両国にオーストラリアとインドを加えた4か国の枠組み、クアッドの首脳会合に出席する予定です。
米軍と情報当局は、北朝鮮が今月中に地下核実験を実施する可能性も指摘しており、同国プンゲリ核実験場で準備が進んでいるとみられています。
北朝鮮は、キム総書記とトランプ前米大統領との核・ミサイル軍縮交渉が決裂した後、より精力的なミサイル実験を再開しました。
有識者らは、合同軍事演習を含めた地域でのアメリカの挑発行為が、軍国主義の増大や地域の情勢不安を助長している、と見ています。
一方、北朝鮮は自らの核兵器開発の決定的な理由として、アメリカの挑発行為や地域における米軍の駐留を挙げています。
昨今の北朝鮮の動向から、北朝鮮が核実験を実施するのではないかとの懸念が高まっています。
アメリカを初めとする西側諸国、および北朝鮮の近隣国である日本と韓国は常に、北朝鮮による弾道ミサイル・核実験を懸念しています。