イラン最高指導者が新年のメッセージを発表、「今年はインフレの抑制と生産の成長の年、国家の主要課題は経済」
(last modified Tue, 21 Mar 2023 06:23:45 GMT )
3月 21, 2023 15:23 Asia/Tokyo

イランイスラム革命最高指導者のアリー・ハーメネイー師が、21日火曜から始まったイラン太陽暦の春の新年1402年の元日・ノウルーズに際してのメッセージにおいて、同国民および、この日を祝す全ての諸国民に対し祝意を表明するとともに、今年の国家の最重要課題を経済と国民生活だとし、「今年も国家の主要課題は経済である」と強調するとともに、1402年のスローガンを「インフレの抑制と生産の成長」と発表しました。

ハーメネイー師イラン暦の昨年を大まかに振り返り、1979年のイスラム革命の勝利後以来の長年と同様に、吉事と凶事の双方を伴う年だったとし、「昨年のわが国の最重要課題は経済であった」と強調するとともに、「経済面においても、一連のよい出来事と悪い出来事の連続だった。悪い出来事は主に、インフレや食品・基本的生活必需品をはじめとする物価高であり、これらの日用品が大きく高騰するとともに、その主なしわ寄せが社会の下層とされる小規模な村落に押し寄せた」と述べています。

また、「もっとも、経済部門においては建設的でプラスの業績も達成されており、それらは国民の生活や生計に関するものであるはずだ」としました。

さらに、1401年の経済部門におけるプラスの措置として、閉鎖もしくは半閉鎖状態にあった数千の工場の稼動の開始、知識ベース企業の増加、およびわずかな割合ながらも失業率が低下したことを挙げました。

そして、経済指標の一部が成長したことも指摘し、「保険の分野では各指標は良好であり、水、ガス、道路、および環境に関連する分野で優れた業務が行われている」としています。

 

「経済分野の優れた業務活動は国民生活における突破口につながる」

ハーメネイー師は、「経済部門で行われた良好な業務活動は、綿密な計画の立案により、特に弱い階層の人々をはじめとした国民の生活や食卓における糸口・突破口につながるべきだ」と強調しました。

また、「国の経済状況を評価する際には、よい出来事と悪い出来事の双方を合わせ見て、これらを総合的に合算・査定する必要がある」と語っています。

さらに、「経済問題はイランに限ったことではなく、有力な先進国をも含むほぼすべての国が経済問題に悩まされており、銀行破たんや緊急債務にさえ見舞われている」と述べました。

 

「今年の国家の中軸的な主要課題は経済」

ハーメネイー師はイラン暦の今年である1402年について、「本年における国家の中軸的な主要課題は経済である。国内においては、政治・文化の分野における諸問題が存在している。だが、政府や国会、経済活動家や国民が市民の問題の解決に全力を尽くせば、そのほかの問題の多くも解決されるだろう」と語りました。

また、「国民の抱える諸問題の解決は、生産などの基本的な経済活動および、大衆の協力や社会的な弱者階層を助けるなど、民間の互助にかかっている」とし、「生産以外の基本的な業務の中で、政府関係者と民間部門が特に注意を払うべき点は投資の問題である」と述べています。

 

「深刻な抜け穴の1つは投資問題」

ハーメネイー師は、「深刻な抜け穴の1つは投資の問題であり、この分野に関する計画の立案により事が進められるべきである」と語りました。

また、「私はこれらすべての側面、特に主要な問題としてのインフレの問題と経済問題から国家を救うための鍵の1つとしての生産を視野に入れ、1402年のスローガンを『インフレと生産の成長』とする次第である」と述べています。

そして最後に、「政府関係者、経済活動家、民間・文化活動家は、この2つの問題に全力を尽くし、それにより第1段階としてインフレが抑制・緩和され、第2段階として生産の増大に向けた基礎が築かれるようにすべきである」と結びました。

 


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