一日一冊、本の紹介(6)
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イスラムは、世界的な宗教で、出現した当初から、人種や部族を超えたものとなっています。
(last modified 2025-08-16T09:55:59+00:00 )
11月 30, 2016 16:11 Asia/Tokyo
  • 一日一冊、本の紹介(6)

イスラムは、世界的な宗教で、出現した当初から、人種や部族を超えたものとなっています。

そのため、イスラムの預言者ムハンマドは、イスラム暦6年、自らの世界的な使命を果たす上で、他国の指導者たちに書簡を送り、彼らをイスラムへといざなおうとしました。

「預言者ムハンマドの書簡や政治的な契約とイスラム初期の文書」という本は、ムハンマド・ハミードッラ―が編集した、これらの書簡や文書をまとめたものです。この本は、イスラムの預言者の政治的な契約や書簡を含み、レバノンのベイルートで初めて出版され、これまで何度も増刷されています。この本にまとめられている事柄は、歴史書やハディース(・伝承)に関する分析の結果であり、その正しさについて詳細な研究が行われたものです。この本は、セイエド・モハンマド・ホセイニ―によってペルシャ語に翻訳されました。

この本にある書簡の中で興味深い点は、それらすべてにおいて、イスラムを守る条件が述べられていること、イスラムを信じ、イスラムの指示を守ることが、預言者によってはっきりと述べられていることです。実際、預言者の記した内容を検証すると、そのすべてにおいて、唯一の神、その預言者ムハンマド、イスラムの教えとその戒律、イスラムの道徳、経済問題、イスラム社会の運営政策と他のグループへの対応という4つの基本的な問題が語られていることが分かります。

「預言者ムハンマドの書簡や政治的な契約とイスラム初期の文書」という本は、2つの部分に別れています。前半は預言者の時代の文書であり、後半は、預言者の後のカリフの時代の文書です。結末部において、作者は、キリスト教徒やゾロアスター教徒との預言者の契約を紹介しています。これらの契約で重要なのは、唯一神信仰へのいざない、約束を守ることの強調、起こりうる出来事の予想、民族的なこだわりを捨てた連帯の精神といった事柄です。

作者のムハンマド・ハミードッラ―は、パキスタンの政治活動家で、イスラム史の研究者でもあり、ウルドゥー語、フランス語、ドイツ語、英語による250を超える論文や書物を著しています。