米記者、「沖縄・由美子ちゃん事件の加害者の減刑は人種差別」
1955年に嘉手納村(当時)で起きた幼女暴行殺害事件(由美子ちゃん事件)を調査した米ジャーナリストのリチャード・セラーノ氏が、「この事件の被告人が死刑を減刑されたことは人種差別だ」と語りました。
この殺害事件は、当時の沖縄県石川市(現:うるま市)に住んでいた当時6歳の永山 由美子ちゃんが、アメリカ軍嘉手納基地所属の軍曹アイザック・J・ハート(事件当時31歳)によって暴行・殺害されたもので、 沖縄の戦後史に残る凶悪事件とされています。
沖縄の地元紙・沖縄タイムスによりますと、リチャード・セラーノ氏は「もし被害者が白人だったらアイザック・ハート軍曹の死刑は執行されていた可能性が高い。不幸なことに、それが当時の傾向だった」と述べました。
またセラーノ氏は、20世紀半ばの米司法システムでは被害者と容疑者の人種が処分を左右する重要な要素だったと説明するとともに、ハート軍曹が白人だったため大統領2人と有力議員らが介入したとして、「米軍は黒人死刑囚だけ死刑を執行していた。ハート軍曹が肌の色によって命拾いしたことは疑いない」と指摘しています。
さらに、ハート軍曹が米政府から従軍をたたえる墓石を贈られていた事実に衝撃を受けたとして、「不名誉除隊に値する軍人はこうした恩典を与えられるべきではない。退役軍人省は状況を十分に調査すべきだ」と述べました。
セラーノ氏は、米紙ロサンゼルス・タイムズのワシントン支局で30年近くテロや捜査機関を取材するなど43年の記者経験があり、ピュリツァー賞を3度受賞しています。
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