ニジェール・クーデター勢力が、フランスへの金・ウラン輸出を停止
ニジェールでクーデターを起こした大統領警護隊のチアニ司令官は、フランス向けの金やウランの輸出を停止すると発表しました。
ニジェールでは26日、大統領警護隊のチアニ司令官がクーデターを起こし、バズム大統領を監禁、自身を国家元首として宣言しました。
フランスはクーデターをうけてニジェールへの支援を停止しましたが、これに対してチアニ氏はフランス向けの金やウランの輸出を停止すると表明しました。
フランスは、国内の電力確保のためニジェールから輸入するウランに大きく依存しています。
ニジェールの首都ニアメーでは30日、クーデターを支持する市民らがフランス大使館前に集まり、同国のニジェールに対する政策に抗議したほか、大使館入口に放火したりしました。
ニジェールのクーデターをめぐっては、フランスの他にイギリスも長期支援を停止すると31日に発表しました。
さらにECOWAS・西アフリカ諸国経済共同体も30日、ニジェールへの財政支援の停止およびニジェールがECOWAS加盟国の中央銀行や関係機関に持つ資産の凍結を発表しました。この決定にはEUも支持を表明しています。
ニジェールは、ウランやダイヤモンド、金、石炭といった天然・鉱物資源に恵まれ、西アフリカ地域でも重要な国のひとつです。
同国の鉱物資源は西側諸国にとって常に重要であり続けてきました。その一例がフランスの原子力産業であり、ニジェールからのウラン輸入に大きく依存しています。
ニジェールのクーデターは、フランスがアフリカに持つ権益に大きな影響を及ぼすとみられます。ニジェールの隣国であるマリやブルキナファソでも、地域におけるフランスの存在に反発する声が出ているからです。