袋小路に陥ったフランス;1年で3人目の首相が辞任、欧州市場は下落
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就任して1ヶ月足らずのセバスチャン・ルコルニュ仏首相が辞任しました。
(last modified 2025-10-07T20:25:39+00:00 )
10月 07, 2025 17:38 Asia/Tokyo
  • 6日月曜に辞表を提出したセバスチャン・ルコルニュ仏首相
    6日月曜に辞表を提出したセバスチャン・ルコルニュ仏首相

就任して1ヶ月足らずのセバスチャン・ルコルニュ仏首相が辞任しました。

フランスのニュース局BFMTVは6日月曜日、同国大統領府の情報として、エマニュエル・マクロン仏大統領がセバスチャン・ルコルニュ首相の辞任を受理したと報じました。

【ParsToday国際】ルコルニュ首相は就任からわずか27日で、組閣への強い反対とそれに伴う政治危機を受けて辞任しました。この辞任劇は、フランスにおける現在の政治危機をさらに悪化させた格好となっています。

フランスで今年3人目の首相が内閣発足からわずか14時間後に辞任したことは、同国の政治危機の深刻さを反映しています。この危機によりマクロン大統領は再び苦境に立たされ、新たな首相の選任を迫られています。

6日の欧州の株式市場も今回の辞任の影響を受けて急落し、フランスの株価指数は最大の下落幅を記録した他、銀行株も大幅に下落しました。

政治専門家らの間では、ルコルニュ氏が政治危機の解決策を提示せず辞任したことで、フランスの政治・経済の将来に対する懸念が高まったと考えられています。ルコルニュ氏はマクロン現政権下で7人目の首相に就任していましたが、フランス政界に安定を取り戻すことはできませんでした。

一方、フランスは今月に入って広範囲にわたる経済・政治的危機に直面しており、ユーロニュースによれば、同国の経済成長率は0.6%に低下した他、公的債務はGDP国際総生産の113%以上に達し、財政赤字は5.8%に増大しています。

また、債務返済コストの上昇によりフランス政府財政はさらにひっ迫しており、失業率は約7.8%に達しています。さらに、政情不安と先行き不透明から、家計消費と企業投資も減少しています。

政府が予算案を承認できない実態や首相の相次ぐ辞任は、いずれもフランスにおける慢性的な政治的な行き詰まりの兆候であり、投資家の信頼低下に加えて国の信用格付けが引き下げられるリスクも高めています。

一方、社会的な抗議活動と緊縮政策への広範な反対により、経済改革の道筋に深刻な課題が浮上しています。これらの動きは、フランス政府に対する国民と経済界の不信感の高まりを示しており、今後数日間のうちに金融市場にさらなる圧力をかけることが考えられます。アナリストらの見解では、現在の状況からフランスにおける統率力の弱さと統治構造の脆弱性が改めて浮き彫りになったと見られています。かつて欧州における政治・経済的安定の中心と考えられていたフランスは、今や相次ぐ危機と行政運営の混乱に苦しんでいます。

 

 


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