韓米合同軍事演習が開始、北朝鮮の挑発に備え監視強化
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韓米合同軍事演習
韓国と米国の両軍が、今年下半期の合同軍事演習「乙支フリーダムシールド(UFS)」を開始しました。
韓国ヨンハプ通信がソウルから報じたところによりますと、22日月曜に始まったこの演習は来月1日まで実施されます。
韓国政府と軍は同演習を通じて危機管理と合同作戦支援の手順の熟達と、北朝鮮の局地的挑発と全面戦に備えた国家総力戦の遂行能力の向上を図ろうとしています。
また、演習に反発する北朝鮮がミサイル発射などで挑発する可能性に備え、監視体制も強化している模様です。
韓国国防部によると、UFSではコンピューターシミュレーション方式の指揮所訓練のほか、実戦的な野外機動訓練が行われ、旅団級の戦闘訓練、大隊級の大量破壊兵器除去訓練など計13の野外機動訓練を実施されます。
韓米は2008年から毎年、大規模合同指揮所演習「乙支フリーダムガーディアン(UFG)」を実施していましたが、韓国前政権下の2017年を最後に廃止されました。しかし、今回は名称を変更して約5年ぶりに復活した形となり、前政権で縮小されてきた合同演習を正常化して韓米同盟の強固さを確認し、連合防衛体制を強化する方針です。
なお、UFSの本演習を前に韓米は今月16日から4日間、事前演習の危機管理演習を実施しました。
一方、北朝鮮は宣伝メディアを通じUFSを激しく非難しており、特に同国のキム・ジョンウン総書記の妹・ヨジョン氏は今月19日、UFSの実施を非難する談話を発表しています。
北朝鮮はまたこの方向性で、弾道ミサイルを発射した去る6月5日以来約2カ月ぶりに、今月17日には巡航ミサイルを発射しました。
北朝鮮はかねてから朝鮮半島情勢の緊迫の原因を、地域の米軍駐留やそれによる軍事演習の実施にあるとしています。
韓国には、米韓相互防衛条約にもとづき、中国・北朝鮮から韓国を守るためとして、2万人あまりの米兵が駐留しています。
韓国市民は、多くの問題を引き起こしている米軍駐留に何度も抗議し、米軍の国外撤退を訴えてきました。これにより、米韓合同軍事演習が中止になったこともあります。

