イラン中央銀行総裁のドイツ訪問
(last modified Wed, 13 Jul 2016 13:07:41 GMT )
7月 13, 2016 22:07 Asia/Tokyo
  • イラン中央銀行総裁のドイツ訪問

イランのセイフ中央銀行総裁が、EUやドイツの銀行関係者と、金融関係の正常化に向けた協議を行うため、ドイツを訪問しています。

アミーンザーデ解説員

ドイツやEUの銀行・経済関係者とセイフ総裁の協議の中心議題は、イランとドイツの銀行取引の簡略化と銀行間の協力拡大になると見られています。セイフ総裁は、昨年11月にも、イランへの投資に関する会議に出席するため、フランクフルトを訪問しました。セイフ総裁は前回の訪問で、ドイツの銀行や金融機関の代表、及び、ショイブレ財務大臣と、両国の金融関係の正常化について話し合いを行っていました。

イランと6カ国の核合意とその実施は、イランとの幅広い経済協力の土台を整えています。しかし、この合意から1年、経済取引、特に銀行間の活動には障害が横たわっており、アメリカとEUによる透明化を必要としています。

現在、ヨーロッパとアジアの大手銀行は、核合意の実施と1月からの制裁の解除にも拘わらず、イランとの取り引き再開について慎重な態度を見せています。なぜなら、彼らは、アメリカ国内の法による制裁、罰金の適用を懸念しているためです。

イランのザリーフ外務大臣は、数ヶ月前、イギリス・ロンドンの王立国際問題研究所で講演し、「イランとの関係にアメリカが干渉することはないと銀行に確信させるため、アメリカは、より透明な保障を与える必要がある。アメリカは今も、イランと他国の間で、アメリカの金融システムによるドル取り引きが行われるのを許しておらず、これに関するアメリカ議会の動きが続けられている」と強調しました。

スイスUBS銀行のスポークスマンは、最近、メディアのインタビューで、「現在、イランとの貿易活動、あるいはイランを含めた活動を制限するアメリカの全体政策に変更はない」と語りました。

イギリスの銀行協会も、以前、「イギリスの銀行は、アメリカ当局による説明を必要としている」としていました。

ドイツ商工会議所の会頭も、以前、ヨーロッパの銀行は、アメリカの制裁を恐れ、イランと取り引きを行っていないとしました。同会頭は、少し前、「ドイツ経済は、イランとの取り引きを肯定的に見ているが、外貨取り引きのために適した土台が整えられる必要がある」と語りました。ドイツ銀行は、「さらに、イランとの関係を制限せざる得ない」としました。

貿易関係や産業への投資における大きな機会、イランの豊かな石油・エネルギー資源の存在により、イランと世界経済の協力を強化する土台は整っています。明らかに、イランは、核合意による全ての取り決めを履行しており、国内で景気の回復が感じられるよう、相手側にも、その履行を期待しています。しかしながら、核や核合意には直接関係のないアメリカの妨害が、実際、イランと外国の銀行の取り引きの妨げになっています。

セイフ総裁のドイツにおける協議により、イランと取り引きを行う銀行が真剣な措置を加速し、何の懸念も持たずに、イランとの経済合意が実施されるようになることが期待されています。

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