今日の話題:映画「預言者ムハンマド」
マジード・マジーディー監督作品の映画「預言者ムハンマド」は、イランの映画作品の傑作のひとつです。
この映画はイスラムの預言者ムハンマドの生涯について語っており、この1年半の間、イランや世界の人々や映画関係者の注目を集めてきました。この映画のストーリーは、預言者ムハンマドとその教友たちがクライシュ族の制裁によって避難した、アブー・ターリブ谷の出来事から始まり、そこから時代が戻り、預言者ムハンマドの出生前から、12歳までの出来事を描いています。この作品は3部作となり、預言者ムハンマドの生涯のさまざまな時代を物語る予定です。
171分にわたる「預言者ムハンマド」の1部は、イラン映画史上最高額の制作費用が使われ、マジーディー監督はこの映画の制作に5年を費やしました。この映画は2015年8月から、イラン各地の映画館で上映されています。
マジーディー監督は、映画「預言者ムハンマド」は、イスラムの団結を作り出すために制作され、わずかな対立も生み出さないよう、預言者ムハンマドの生涯の一時期が選ばれたと語りました。マジーディー監督はまた、預言者ムハンマドの神聖な顔は映していないと繰り返し述べており、「この映画の上映開始は、文化的な運動の開始にあたる」としました。
マジーディー監督は、映画の内容とは別に、構成や技術の点で、イランや世界の映画の可能性を駆使しようとしており、それは撮影、音楽、特殊効果において、優れたスタッフを起用していることに伺えます。マジーディー監督はまた、預言者ムハンマドの慈愛あふれる姿は、イスラム世界にのみ関係しているわけではないと考えています。預言者ムハンマドは、全ての存在にとっての預言者であり、本質的な観点からは、どんな信条や文化を持った人でも、この作品に親しみを覚えることになるでしょう。
イスラムの出現からこれまでのイランの芸術史には、預言者ムハンマドの名を記し、彼を想起させる貴重な作品が数多く存在しますが、それらの一部は、またいずれかの機会にお話しすることにしましょう。