韓国、ユン大統領の対イラン疑惑提示の隠蔽を目論む
韓国外務省のある当局者が、同国のユン・ソクヨル大統領の反イラン的発言を隠蔽しようとして、「わが国は対イラン友好関係をさらに強化したい」と述べました。

ファールス通信によりますと、ユン大統領のUAEアラブ首長国連邦訪問中の反イラン発言により、韓国外務省はその隠蔽のために頭を悩ませています。
韓国外務省のある当局者は17日火曜、ユン大統領の反イラン発言に関する誤解を解決するため、「これらの発言は駐UAE韓国軍への激励中に、地域の複雑な安全保障状況を説明するために行われた」と主張しました。
韓国ヨンハプ通信によりますと、この発言を巡り、韓国とイランの関係に不要な誤解や悪影響をもたらしかねないとの批判が野党などから提起されました。
これに対し韓国外務省は17日火曜、記者団にメッセージを送り「報道された発言はUAEでの任務遂行にベストを尽くしてほしいという趣旨の将兵を激励するためのものだった」と強調したうえで、「イランとの関係など国家間の関係とは無関係であり、不必要に拡大解釈しないでほしい」と伝えました。
そして、「イランとは1962年の国交樹立以来、友好・協力関係を保ってきた」とし、「イランとの継続的な関係発展に対する政府の意志は変わらず強固だ」と説明しました。

ユン大統領は、駐UAE韓国軍兵らを前に演説し、「我々の兄弟国の安全は我々の安全である」と主張しました。さらに、「UAEの敵は最も脅威的な国、つまりイランであり、我々の敵は北朝鮮である。我々はUAEと同様の状況にある」と述べました。
ユン大統領は数日間の公式訪問の一環として今月14日にUAE首都アブダビに到着し、同地のアル・ワタン宮殿(カスール・アル・ワタン、大統領官邸に相当)にてムハンマド・ビン・ザイード・アル・ナヒヤンUAE大統領と会談しました。そして、両者は韓国・UAE間の協力拡大について協議しています。
両者はまたこの会談で、両国の特別な戦略的関係の枠組みの中での、さまざまな分野における二国間協力を発展させる機会について話し合いました。
さらに、両国の共通の関心事となる複数の地域・国際的な問題についても協議されました。ユン大統領の今回のUAE訪問は、就任後初となります。
両国の大統領は16日月曜、両国の今後の計画という枠組みでの投資、経済、科学、文化、先端技術、再生可能エネルギー、その他の重要な関心ある分野における様々な協力方法および、その促進について協議しました。

ユン大統領の今回のUAE訪問の主な目的はエネルギー、投資、原子力、防衛産業の4つの主要分野における対UAE戦略的協力の強化とされています。
ユン大統領は今月14日、アブダビ空港にてアブドラ・ビン・ザイード・アル・ナヒヤーンUAE外務・国際協力大臣の歓迎を受けるとともに、今回の訪問が「大きな成果」をもたらすよう希望する、としています。
なお、今回は企画財政、科学技術情報通信、外務、産業通商資源、環境などの韓国の各省庁の大臣らのほか、同国の中小企業、国家安保補佐官、および多くの韓国の大企業の幹部らがユン大統領に随行しています。
キム・ソンハン韓国大統領国家安全保障担当補佐官は今回の訪問について、「ユン大統領の今年初の外遊の最初の訪問国としてUAEを選んだことは、対UAE関係修復および、韓国の輸出の拡大に向けた外交努力というユン大統領の強い意志を示している」と語りました。