ペロシ米下院議長の来日も横田基地 トランプ・バイデン両氏につづき
4日に来日したペロシ米下院議長は、米軍横田基地から日本に入国しました。2017年に当時のトランプ大統領が米国大統領として初めて横田基地から入国して以降、今年5月のバイデン大統領来日時も同様、米国の要人が横田基地から出入国管理なしで日本に入国する例が続いています。
横田基地には日本の航空管制が及ばず、米軍が管理しています。そのため、米国から訪れる要人は、国内移動と同様の扱いになり、出入国管理も不要となっています。
歴代の米国大統領が来日した際は、基本的には民間の空港から入国していました。しかし、2017年11月のトランプ前大統領来日時に、初めて横田基地が使われたのを皮切りに、今年5月にはバイデン大統領も横田基地から入出国しています。
日本共産党の機関紙「赤旗」によりますと、米軍が管理する横田管制区は、東京、埼玉、群馬、栃木、神奈川、福島、新潟、長野、山梨、静岡の1都9県の広範な範囲に及び、高度2450メートルから7000メートルまでを管理しています。
日本の民間航空機がこの空域を飛行するのには米軍の許可が必要なため、羽田空港から北陸・西日本方面へ飛行する民間機は、相模湾方面へ迂回するか、横田空域よりも高い高度へ急上昇しなければいけません。
これ以外にも、トランプ・バイデン両氏は横田基地到着後、米軍ヘリに乗って都心まで移動しています。移動先は港区六本木の米軍施設「赤坂プレスセンター」です。
赤坂プレスセンターは横田空域ではありませんが、米軍ヘリは日本側の許可を得ることなく自由にルートを設定できます。過去には、日米合意で定められた最低安全高度(最も高い障害物から300メートル)よりも低い高度を飛行するヘリが何度も目撃されています。
都、港区、港区議会は、赤坂プレスセンターにあるヘリポートの撤去を防衛省に要請していますが、政府は日米関係を理由に難渋しています。
米要人の来日ルートは、米国による日本の首都上空の主権侵害を示すものとも言えます。