特別番組:士官学校卒業式で語られた最高指導者の見解
イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師は、今月9日朝、イラン北部ノウシャフルでの士官学校の合同卒業式に出席しました。
ハーメネイー師はこの式典で、地域を情勢不安に陥れる覇権主義者の悪しき政策にふれ、「イランの国民とイスラム体制は、抵抗により、アメリカに対して、もし国民が理不尽な国々の非難を恐れず、自分たちの力を信じれば、大国を後退させ、敗北させることができるということを証明した」と強調しました。
また、イラン国民は世界における正義と自由の旗手だとして、「軍はこのような国民と国を守るが、あらゆる存在をかけて、深い宗教的、国民的な動機により、この偉大な栄誉を維持すべきだ」と述べました。イスラム革命の成果の一つとは、イランに対するあらゆる脅威や制裁などの行為への抵抗です。
世界には、アメリカが陰謀により、その国の体制の転覆に成功したケースが数多く見られます。このことは、イスラム革命以前のイラン国民について当てはまっています。イスラム革命が勝利した25年前、イランは石油産業の国有化に成功し、イギリスによる石油の略奪を終わらせることができました。この時期、それほどアメリカ政府の植民地主義的、覇権主義的な本質は明確ではありませんでした。
イランの当時のモサッデグ政権は、アメリカを信頼し、その結果、アメリカとイギリスは軍や政府内にいた人物と共謀し、1953年、モサッデグ政権を転覆し、モハンマドレザー・シャーを据える計画を実施しました。25年間、イランはアメリカの中東地域における最も重要な同盟国となりました。4000人以上のアメリカの顧問が、イランの政治、軍事、経済を監視下におき、コントロールしていました。アメリカの大規模な支援の下で、パフラヴィー朝のモハンマドレザー・シャーは、専制政権を構築し、すべての反対派の声を押さえつけていたのです。
イスラム革命の創始者ホメイニー師は、運動の当初からイスラム革命の勝利まで、常に、アメリカとシオニスト政権イスラエルをイランの人々にとっての災厄の根源であり、シャーはアメリカとイギリスの傀儡だとしました。2500年にわたるイランの王制が打倒され、イスラム革命の勝利はアメリカの中東政策に痛烈な打撃を与えました。アメリカは中東地域における同盟者と拠点を失ったのです。
イスラム革命の勝利当初から、アメリカはイスラム体制を打倒する陰謀や行動を惜しむことはありませんでした。反革命組織の支援、内戦を勃発させるための分断工作、経済制裁、クーデターに向けた努力、イランに侵攻するようイラクのサッダーム政権を支援し、そそのかし、8年間にわたるイラン・イラク戦争を強いて大規模な人的、物的損害をださせたこと、これらは、イスラム体制の転覆に向けたアメリカの行動なのです。これらの悪意あるアメリカの行動により、ホメイニー師はアメリカを大悪魔と呼びました。
イラン国民は、これらのすべてのアメリカの行動に抵抗し、地域や世界の国民すべての模範となりました。ハーメネイー師は、ノウシャフルでの士官学校卒業式で、世界の多くの人々は正義を愛しているが、覇権主義者の手の中で、正義や自由を表明する手段を持っていないことに触れ、次のように語りました。
「このような世界の中で、イランとイラン国民は、何も隠すことない雄弁な言葉により、圧政や覇権主義に対する抵抗を表明しており、このことは、イランの偉大な国民に対する圧政者の敵意の主な要因となっている」
イスラム革命の勝利から40年が経過した後も、アメリカは最も厳しい経済制裁を行使し、軍
事的な脅迫を行うことで、イランのイスラム体制を転覆しようとしています。アメリカの行動において重要なポイントは、彼らがこれらの行動をイランの人々への支援を名目に行っているということにあります。世界に、人々の支援や支持なくして、これらすべてのアメリカの陰謀に抵抗することのできる政府は存在するでしょうか。イランも現在、アメリカの横暴な政策に対して抵抗する中で、地域の大国となっており、地域における過激思想とテロとの戦いを最も真剣に行っている国です。このため、イランはアメリカとシオニスト政権の懸念を引き起こしており、彼らはイスラム体制の転覆を追求しています。
ハーメネイー師は世界の様々な地域、特に西アジア地域における情勢不安に触れ、次のように語りました。
「アメリカを筆頭にした覇権主義国は、地域の衝突、テロ活動の拡大、内戦の中に自分たちの利益を見ており、残念ながら、一部の地域もそれを支援している」
ハーメネイー師は、地域におけるイスラムの力の確立を防ぐことが、アメリカとシオニスト政権イスラエルの目的だとし、次のように語りました。
「彼らは、イスラムの魅力的なメッセージが、弱者を守るものであることを知っておりそのため、イスラムに基づく力の形成を恐れている」
イランの人々は、アメリカの各種の陰謀の中で40年間抵抗しており、このことはアメリカの政権関係者の懸念する点となっています。アメリカが世界、特に中東地域の覇権を維持する上で支払ってきた費用は莫大な額に上ります。このため、イラン国民に対する敵対政策を続けているのです。
ハーメネイー師は圧政者に対するイスラム体制の力強い抵抗は、地域で世界の圧政者の大きな目的が失敗している要因だとして、「世界の専門家や政治アナリストは、イランが神と国民の力を支えに、地域で世界の大国に勝利していることに驚き、その事実を認めている」と語りました。
イスラム革命の勝利は、西側と東側の大国に依存することなく実現しました。これは、20世紀の多くの革命と比較した場合の、イスラム革命の重要な特徴のひとつです。イスラム革命後、イランは独立を維持し、東の大国にも、西の大国にも傾くことなく、アメリカの脅迫に対抗するために、ソ連の支援を求めることもありませんでした。むしろ、初めて、イランは東と西の大国に敵対していました。
イラクのサッダーム政権は、東側の陣営にいましたが、イランへの侵攻に関しては、アメリカとその同盟国の全面的な支援を受けていました。この8年間のイラン・イラク戦争では、世界の58カ国がサッダームを経済的、軍事的、政治的に支援し、資金援助を受けていました。
イランは現在の世界においても、アメリカの敵意や過剰な要求に抵抗しています。この抵抗により、ヨーロッパのアメリカ同盟国は、イランは無視できない現実であり、イランに関するアメリカの要求は受け入れられず、核合意を守ることを追求するという結論に達しました。
ハーメネイー師は、言葉上の脅迫や力の誇示は、各国国民を震え上がらせるための圧政的な大国の重要な方法だとして、次のように強調しました。
「国民がこの方法により恐れず、勇敢に、自信を持って真理と正義の道を歩めば、大国を後退させ、失敗させる」
ハーメネイー師はイスラム体制をこの事実の明らかな例だとして、次のように述べました。
「イランのイスラム体制は40年前から、アメリカとその同盟国の破壊的な行動に晒されてきたが、現在、小さな芽から、実りの多い立派な木に成長した。覇権主義者の多くの措置にも拘わらず、各国の人々の心を革命のメッセージへと惹きつけ、地域におけるアメリカの陰謀を失敗させている」
ハーメネイー師はシリア、イラク、レバノンは、地域におけるアメリカの陰謀の失敗例だとして、こう語りました
「これらは、“神を助ける者は、神の助けを得る”という神の約束の実現であり、神の力のしるしだ」
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