ニンニク
今日、ニンニクは多くの薬効を有していることから、世界中で知られています。今回は、そんなニンニクの特性についてお話し致しましょう。ニンニクを使ったイラン料理も幾つかご紹介します。
ニンニクは多年草の草本植物で、茎は高さ40センチ以上になります。葉は細長く、花はうすい灰色で、小さな赤い斑点を有しています。球根部分をはじめ、ニンニクは全ての箇所に薬効があり、この球根部分が実際、ニンニクとして知られている部分です。ニンニクは幾つかの部分から成っており、うす灰色の薄い膜を持っています。原産は中央アジアで、ここに住む人々は寿命が長く、高齢になっても活力に満ち、癌にかかる率が他の地域よりも低くなっています。イランでも、北部や西部のハメダーンなどで栽培されています。イラン産のニンニクは、土地が肥沃なために、高品質であり、多くの国に輸出されています。
ニンニクは、昔からその薬効が利用されてきました。その歴史はバビロニア、エジプト文明の時代に遡ります。古代エジプトの人々は、ニンニクを墓の中に置いておきました。古代のオリンピックで、ギリシャの選手は体力の増強のためにニンニクを食べていました。古代ギリシャの医師で、医学の父と呼ばれるヒポクラテスは、記述の中で、ニンニクの特性について触れています。フランスの化学者、細菌学者のパスツールは、ニンニクの殺菌作用を発見しています。第1次世界大戦には、ニンニクから作られた軟膏が、傷の治療に利用されていました。現在、世界の医療研究所のさまざまな研究により、ニンニクは、心臓病、癌、伝染病、中毒症といった各種の病気の予防に効果的であることがわかっています。
ニンニクは、殺菌作用があり、消化を助け、食欲を増進させ、活力を与えます。また、痰を出しやすくし、寄生虫を除去します。さらに、血圧や血中のコレステロール値を下げます。ニンニクを生で食べたり、あるいは煎じたものを飲むと、声の通りがよくなり、慢性的な頭痛を緩和します。治療目的で利用する際には、朝昼晩の3回、茶さじ1杯、あるいは500ミリグラムのカプセル2個分のニンニクの粉末を摂取します。ただし、血圧や血中の脂肪、糖分の量によって、その分量を変えるべきでしょう。
ニンニクはさまざまな形で利用することができます。野菜としてサラダに、生のままソースに、また加熱して多くの料理に使うことができ、特別な香りと味を与えます。ときに、乾燥させたニンニクの粉末が料理の味付けに使われたりもします。また、イランではニンニクを油で炒めたものを料理の飾り付けや調理の中で使います。例えば、「アーシュ・レシュテ」と呼ばれるうどん入りハーブの煮込みスープや、また、「キャシュク・バーデンジャーン」という乳製品と茄子を使った料理に、しばしば使われます。
野生のニンニクは、イランの一部地域で自生しており、その球根部分をスライスして、乾燥させます。この種のニンニクは、エシャロットと呼ばれ、長期保存がききます。乾燥した断片を水に浸すと、数時間後には元の新鮮な形に戻ります。このエシャロットは「トルシー」と呼ばれる酢漬けに用いられます。また、細かく刻んでヨーグルトと混ぜると、ヨーグルトに独特の香りが移り、食欲をそそります。
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